バレンタインデーに比べると盛り上がりに欠けるホワイトデーだが、バレンタイン商戦で日本一の売上高を誇るジェイアール名古屋タカシマヤ(以下、タカシマヤ)のホワイトデー商戦はどうだったのか。
他店同様に大々的なイベントを行っていないが、“「ありがとう」のお返しは、タカシマヤで!”と題し、各フロアでおすすめ商品を並べた。例えば1階のデリシャスコートでは、人気が高まる「プレスバターサンド(PRESS BUTTER SAND)」の“バターサンド”(5個入り1000円、9個入り1710円、税込)や、「クラブハリエ(CLUB HARIE)」がハート型のブラウニー(2376円、同)などを販売。1階のハンカチーフ売り場では、「モッタ(MOTTA)」がハートの刺しゅうが施されたハンカチ(1512円、同)を、「近沢レース店(CHIKAZWA LACE)」は桜のレースで縁取られたタオルハンカチとパスケースのセット(2484円、同)を、「ジル スチュアート(JILL STUART)」はハンカチとポーチのセット(3024円、同)などをそろえた。そのほか、化粧品売り場やアクセサリー売り場でもホワイトデーに合うアイテムを提案した。
一般のギフトや自家需要なども含まれることから売り上げは非公表だが、お返しの定番である洋菓子の動向は、2月中旬~3月初旬は賞味期限の長い焼き菓子が動いた。それ以降はマカロンやフィナンシェなどが好調に動き、平均価格帯は2500~3000円と上昇傾向にあったようだ。人気のブランドは、バレンタイン商戦でも人気だったイチゴ専門の洋菓子で知られる「オードリー(AUDREY)」やバームクーヘンで人気の「クラブハリエ」だったという。
一方で、1月18日〜2月14日にタカシマヤ10階メイン会場および7~9階のサテライト会場で開催したバレンタイン商戦催事「アムール・デュ・ショコラ(AMOUR DE CHOCOLAT)」は、約50ブランドから2000種類以上を販売し、前年比約10%増の27億円以上を売り上げて記録を更新した。来場者数は同5%増で90万人以上となった。
売り上げトップ5のブランドは、1位が「クラブハリエ」、2位が「オードリー」、3位がロールケーキやプリンの「パティシエ エス コヤマ(PATISSIER S KOYAMA)」、4位がパティシエの辻口博啓による「アッシュ チョコレート ワールド(H CHOCOLATE WORLD)」、5位は花をモチーフにしたスイーツを提供する「TOKYOチューリップローズ(TOKYO TULIP ROSE)」だった。1~4位は昨年と同じだったが5位は初登場で、全て日本のブランドだ。また、「クラブハリエ」は滋賀・近江発、「オードリー」は名古屋発、「エス コヤマ」は兵庫・三田発と地元・名古屋「や近畿地方のブランドがランクインしている。新規ブランドでは、フランス発「ル・ショコラ・アラン・デュカス(LE CHOCOLAT ALAIN DUCASSE)」が予想を上回る結果だった。
売れ筋チョコレートの傾向は、従来のボンボン(中に詰め物をした一口サイズのチョコレート)ではなく、マカロンやガトーショコラなどのチョコレート菓子が昨年に引き続き好評で、限定品に人気が集中。中心価格はホワイトデーと同様で2500~3000円だった。