「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などの眼鏡ライセンスを手掛けるイタリアの大手眼鏡企業サフィロ(SAFILO)の2018年12月期は、売上高が前期比7.0%減の9億6200万ユーロ(約1193億円)、純損失は前期の2億5100万ユーロ(約311億円)から3200万ユーロ(約40億円)に改善した。「セリーヌ(CELINE)」のライセンス契約が終了したことが影響し、卸事業の売り上げは同4.9%減となったが、コスト削減が純損失減に貢献した。
アンジェロ・トロッキア(Angelo Trocchia)=サフィロ最高経営責任者は、「厳しい期だったが、予定通りの結果」と評価している。成果として挙げたのが、1億5000万ユーロ(約186億円)の増資、日本など重要市場の現地法人役員の刷新、「ミッソーニ(MISSONI)」や「リーバイス(LEVI’S)」を獲得したライセンスブランドの再編などだ。
しかし、主軸であるブランドビジネスの行方は不透明で、売り上げ構成比率の10~12%を占めると見られる「ディオール」とのライセンス契約は2020年に期間満了となるが、更新するかは現在のところ未定という。今後も新勢力のティリオス(THELIOS)やケリング アイウエア(KERING EYEWEAR)の影響を受けそうだ。一方、売り上げ全体の約27%を占める3つの主要ハウスブランド「スミス(SMITH)」「カレラ(CARRERA)」「ポラロイド(POLAROID)」を強化する方針だ。
7000万ユーロ(約87億円)のコスト削減を目標とし、2020年に売上高12億ユーロ(約1500億円)を目指している。