川久保玲「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」デザイナーが、2019年の「イサム・ノグチ賞」を受賞することが決定した。同賞は革新性や優れた国際感覚、東西文化交流への貢献など、世界的な彫刻家イサム・ノグチ(Isamu Noguchi)の精神を受け継ぐ芸術家やデザイナーに贈られるもので、授賞式は米ニューヨークのノグチ美術館(THE NOGUCHI MUSEUM)で5月2日に行われる。
ノグチ美術館はその授賞理由を、「川久保玲は、美やファッションに対する固定観念にあらがい、服に対する既成概念を打ち破ってきた。そしてイサム・ノグチと同様に、デザインとアートは本質的に異なるものだという考えに挑戦してきた」としている。
「コム デ ギャルソン」の創設者であり、セレクトショップのドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)の共同創設者である川久保の仕事は、過去に何回か展覧会が開かれているが、その筆頭に挙げるべきは17年に米メトロポリタン美術館で開催された「川久保玲/コム デ ギャルソン」特別展だろう。同美術館が存命のデザイナーを取り上げたのは、1983年のイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)以来、川久保が2人目だ。なお、川久保の過去の受賞・受章としては、86年のファッション・グループ・インターナショナル・アワード(FASHION GROUP INTERNATIONAL AWARD)、93年の仏政府による芸術文化勲章のシュバリエ、2000年のハーバード大学デザイン大学院(HARVARD UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL OF DESIGN)による優秀デザイン賞、12年のアメリカファッション協議会(CFDA)によるCFDA国際賞などがある。
ノグチ美術館は1985年の開館で、アーティストが存命中に自身の作品を展示するために設計してディレクションした米国初の美術館だ。「イサム・ノグチ賞」の過去の受賞者には、現代美術家の杉本博司、建築家の谷口吉生、ノーマン・フォスター(Norman Foster)、安藤忠雄、プロダクトデザイナーの深澤直人、芸術家のエリン・ジマーマン(Elyn Zimmerman)、日本画家の千住博などがいる。