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24歳の社長が語るカスタマイズサプリ「フジミ」を始めた理由とこだわり

 スタートアップ企業のトリコは、肌診断からその人に合ったサプリをカスタマイズする「フジミ(FUJIMI)」を発売した。「フジミ」は、肌に関する約20項目の設問に答えると、その診断結果からその人に合わせて処方されたサプリが、1日分(5粒)ずつ個包装され、1カ月に1箱(30日分)まとめて送られてくる定額制サービスだ。24歳にして同サービスを開始した藤井香那トリコ代表に「フジミ」について聞いた。

WWD:どうしてカスタマイズサプリ「フジミ」のサービスを始めようと思ったのか?

藤井香那(以下、藤井): もともと私はウェブメディアを運営していて、化粧品やダイエット商品、健康食品などの記事をたくさん書いていたのですが、本当に買いたいと思う商品があまりなくて、それなら自分で作ろうと思ったのが大きなきっかけです。美容では特にスキンケアに興味があったんですが、外からだけでなく内側からのケアが重要だと思い、化粧品ではなくサプリをメインに考えました。せっかく自分でやるなら“カスタマイズ”にこだわったサプリにしようと考えてこの「フジミ」というサービスをスタートしました。

WWD:「フジミ」という名前の由来は?

藤井:「フジミ」にはいくつか意味があって、まずは健康的な意味での「不死身」、2つ目が日本ぽい名前で富士山を連想させる「富士見」、あと創業メンバーが藤井、伊藤、加藤と全員「藤」がついていて、藤が3つで「フジミ」という意味もあります(笑)。将来的には海外展開を目据えているので、なるべく日本らしい名前にしました。

WWD:カスタマイズはどういった仕組みなのか?

藤井:約20項目の質問に答えてもらって、その肌悩みに合わせてビタミンA、C、E、プラセンタ、低分子コラーゲンなど11種から、肌診断の結果に合わせて5種を組み合わせる仕組みになっています。これまで何種類もサプリを取るとなるとボトルが邪魔だったので、その5種を1日分ごとに個包装して飲みやすいようにしました。開発前には120人以上の女性にヒアリングをするなど、さまざまな肌の悩みに対応できるように研究を重ねてきました。

WWD:開発段階ではサプリの専門家も携わった?

藤井:そうですね。アメリカのISNFサプリメントアドバイザー資格を持ち、機能性表示食品検定協会の理事を務めるサプリの専門家をアドバイザーとして迎え、肌の悩みについて相談しながら、論文をもとにどういった組み合わせが効果的か一つ一つサプリメントの処方を組んでいます。どんな成分を使用するかにはかなりこだわっていて、何回も試行錯誤を繰り返しました。

WWD:実際の発売前にクラウドファンディングを行った理由は?

藤井:クラウドファンディングとはいえ、形としては先行予約販売に近い感じだったので、カスタマイズサプリにどのくらいニーズがあるのかをノーリスクで確認できる方法でした。結果的に約1カ月で153人から資金が集まり、合計金額は254万円。女性が7割くらいで、美容に興味がある「美容垢」というSNSのアカウントの人が「こういうサプリ見つけた」ってつぶやいてくれて、発売前からSNSでも話題になりました。

WWD:サプリは女性向けのみ?

藤井:スキンケアに特化したサプリなので、今のメインターゲットは30~40代の女性です。今後はダイエットや睡眠、眼精疲労、ヘアケアなどにもジャンルを広げていきたいと思っています。販売は月額定額制にしていて、継続の場合で1カ月6400円(通常8000円)。サブスクリプションというとずっと同じものが届くイメージがありますが、その都度処方を変えることもできます。

WWD:パッケージのこだわりは?

藤井:海外のパッケージを参考にして、オフィスにもインテリアにもなじむようにしました。サプリというよりは、ナチュラルでオシャレな化粧品のイメージです。箱も含めて、使いやすさ、保管のしやすさにこだわったので、構想から実際の製品ができるまで1年ほどかかりました。開発工場にもまったく心当たりがなく、ウェブや展示会を回り、イチから探したんですが、今の会社にたどりつくまでに何十社も断られました。

WWD:今後の展開は?

藤井:まずは継続して使ってもらえるように満足度を高めていくことと、サプリのジャンルを広げていくことを考えています。ゆくゆくは化粧品なども作りたいと思っています。

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