世界最高峰のファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION以下、PV)」が2月12~14日にパリで開催された。1782社が、2020年春夏向けのテキスタイルを中心に糸、レザー、資材、図案などを提案。デザイナーやトレンドアナリストなどファッションの専門家5万人が訪れる同展は、特にトレンド情報の発信に力を入れている。色は暖色系・中間色がメインで、赤やオレンジ、蛍光色といったビビッドカラーを差す提案が多い。
TREND_1
色のレイヤードを楽しむ超軽量の
透ける素材
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春夏・秋冬といったシーズンを問わず軽量素材が求められているが、20年春夏シーズン向けはその軽量化がこれまで以上に進んだ。PVが各出展社に「極限まで軽量化に挑戦しよう」とディレクションをしたこともあるようで、ほとんどの生地が見た目以上に軽い。ポイントは柔らかさだ。これまで軽さを求めた素材はシャカシャカとしたタッチが多かったが、流麗な感じのものが増えている。しぼしぼしたテクスチャーのシアサッカーにも注目だ。
TREND_2
上品な光沢感 ギラギラし過ぎない“ミルキーシャイニー”
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光沢は軽さやシアー感といったイメージにつながるため、ラメ糸を用いた生地や箔加工を施した生地が多い。中でも注目はオーロラ風の加工で、ミルクを混ぜたような柔らかく上品な光沢感がよさそうだ。
TREND_3
プリミティブにもスポーツにも
好相性 メッシュが大豊作
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軽やかさの演出はもちろん、ファッションデザインに欠かせない要素であるスポーツテイストや、注目のアフリカンムードをジオメトリックに表現したモダンアフリカン柄との相性がいいのはメッシュ素材。スポーティーな機能素材はもちろん、ラメ糸を編み込むなど手の込んだものまで幅広く出そろった。
TREND_4
流麗感と弾力性が同居する
新しい触感の生地に注目
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ファッションデザインがストリートカジュアルからエレガント傾向に回帰する中で、生地の流麗感がますます重要になっている。滑らかで柔らかいタッチの生地が多く登場しているが、新鮮だったのは流麗感がありながらも弾力がある素材。弾力があってしっかりしているので、フォーマルなジャケットやドレスに仕立てればほどよい構築感と動きのあるリラックス感が演出できる。
TREND_5
天然素材はリネンが本命
白&生成りのドライタッチを
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清涼感のあるリネン人気がここ数シーズン続いているが、20年春夏向けは天然の色を生かしたナチュラルでドライタッチなものが多い。また、リネンのように見える合成繊維もシワになりにくいとして引き続き人気を集めている。リネンと並んでドライタッチのコットンも多い。
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柄は群を抜いてチェック
暖色&マドラスを狙え
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チェック人気は継続。特にマドラスチェックが非常に多い。優しいニュアンスの中間色やベージュトーンといった抑えた色に、アクセントとして細いラインの蛍光ピンクや蛍光オレンジ、赤などを加えるデザインが新鮮だ。ロゴ人気継続を受けて、ラインにロゴをのせた提案も。
TREND_7
インパクト勝負
新鮮柄はモダンアフリカン
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PVが大きく掲げたキーワードの1つに“インパクト”があるが、それを代弁する柄の1つがエスニック調のジオメトリック柄である。特にアフリカを想起させるプリミティブな柄に注目だ。春夏の定番素材であるレースも、ジオメトリック柄が目を引いた。
TREND_8
ストライプはマルチ
イレギュラー&多彩に
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チェックに続きストライプ&ボーダー人気も継続。多色使いでピッチもイレギュラーなマルチストライプが特に多い。日に焼けて色あせたような淡い色調も目を引いた。
TREND_9
シックなトロピカル
レトロなハワイアン
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春夏の定番柄で、たいていは彩度の高い色が使われるトロピカル柄は、トーンを抑えたシックな色調や色あせた淡い色調で描くことで新鮮に映る。特にグラフィカルにアレンジしたものが新鮮だ。ノスタルジックなカラーパレットのアロハ柄も多い。