リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS以下、リーバイス)が再上場した3月21日、ジーンズ禁止などの厳格な服装規定で知られるニューヨーク証券取引所が、リーバイスのジーンズやデニムジャケットなどを身に着けた300人以上のトレーダーや関係者で埋め尽くされた。同社の34年ぶりの上場を記念して特別に許可したという、同取引所の粋な計らいだ。
公開価格は1株14~16ドル(約1554~1776円)の見込みだったが、公開前日に17ドル(約1887円)に決定された。取引開始直後から投資家の旺盛な買いが入り、初値は22.22ドル(約2466円)と公開価格を大幅に上回ったほか、終値は22.41ドル(約2487円)と同31.8%高の好調な滑り出しとなった。時価総額はおよそ87億ドル(約9657億円)。
リーバイスは再上場で1億6000万ドル(約177億円)超を調達したと見られている。一方、株式を売却した創業家のハース一族などの株主は4億6240万(約513億円)を手にしているが、同家は上場後も優先的な議決権を持つクラスB株式を保有しているため、引き続き支配株主として経営の主導権を握る。
チップ・バーグ(Chip Bergh)最高経営責任者は2011年の就任以来、数々の戦略を打ち出して目覚ましい業績を上げており、18年11月期決算では売上高が前期比13.6%増の55億7500万ドル(約6132億円)になった。同氏は常にリーバイスのジーンズをはいていることでも有名で、再上場の日もトレードマークのジーンズ姿でニューヨーク証券取引所に登場し、取引開始のベルを鳴らした。