PVHコープ(PVH CORP以下、PVH)が擁する「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、25日にニューヨーク5番街の旗艦店を閉鎖した。また、4月28日にマイアミ店も閉鎖するという。旗艦店は4層で、2009年にオープンした。「トミー ヒルフィガー」は北米に200以上のアウトレットがあるものの、フルプライスの路面店は旗艦店とマイアミ店のみだ。世界中では、直営のほかにフランチャイズや卸売りなども含めておよそ1500店を展開している。
ダニエル・グリーダー(Daniel Grieder)最高経営責任者は、「オンラインでの買い物を好む北米の消費者に対応するため、旗艦店とマイアミ店を閉鎖し、デジタル化された新たなポップアップやECの強化などの次世代の買い物体験を提供することに注力する」と述べた。旗艦店の賃料や閉鎖による節約効果については開示されなかったが、PVHが3月27日に発表する本決算で明らかになるだろう。なお、「トミー ヒルフィガー」の業績は好調で、18年8~10月期の売上高は前年同期比10.7%増の11億3250万ドル(約1234億円)だった。
同ブランドはモデルのジジ・ハディッド(Gigi Hadid)や女優のゼンデイヤ(Zendaya)とのコラボで成功を収めているが、特に全てのルックをショー終了後に購入できる“SEE NOW, BUY NOW”のランウエイショーはソーシャルメディアで大きな注目を集め、ECでの売り上げを大幅に伸ばしている。
最近は実店舗を閉鎖もしくは統廃合するブランドが相次いでおり、「アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)」は40店、「ギャップ(GAP)」は230店、「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)」は52店を閉鎖する予定だ。なお、やはりPVHが擁する「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」も、ニューヨーク・マディソンアベニュー旗艦店を19年春に閉鎖することを発表している。