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虎ノ門がラグジュアリーホテルの激戦区に 「オークラ東京」が9月に開業

 「ホテルオークラ東京(HOTEL OKURA TOKYO以下、ホテルオークラ)」が建て替え工事を完了し9月12日に「オークラ東京(THE OKURA TOKYO以下、オークラ)と改めオープンする。世界の要人を受け入れてきた「ホテルオークラ」同様、伝統的な日本の美にフォーカスした“オークラ ヘリテージ ウイング(以下、ヘリテージ)”と、オフィスフロアをはじめさまざまな機能を備えた“オークラ プレステージ タワー”の2棟で構成。「オークラ」の敷地の半分の1.3ヘクタールは庭園になり、ここに大倉家の私設美術館である「大倉集古館」が置かれる。

 “ヘリテージ”は6~17階が客室になっており、1室60平方メートルで間口は8mと、一般の5つ星ホテルの2倍だ。庭園側の6~9階の各室にはバルコニーを設け、反対のエントランス側の部屋はリビングの広さを重視している。4階がレストラン、5階はエントランスと“プレステージ”への連絡通路になっている。ロビーは床の間に見立てた空間で、本館大宴会場の平安の間でかつて使用されていた、京都の西本願寺が所蔵する国宝「三十六人家集」の料紙の紋様を模した壁面装飾が移設される。

 “プレステージ”の客室は28~36階と37~40階のクラブフロアにあり、1室の広さは平均50平方メートル、間口は6~7.2m、窓の外に地上約120~190mのパノラマが広がる。39~40階の2層構想となるインペリアルスイートは国内最大級730平方メートルで、2層吹き抜けのリビングのほか、シアタールーム、書斎、打たせ湯やサウナなどが完備したバスルームなどの充実した設備が整っている。26~27階は会員制のオークラ フィットネス&スパ、7階がチャペルや神殿、6階がレストランとサロン、5階エントランス階にはメインバーの「オーキッドバー」やオールデイダイニング、デリカテッセンを設け、宴会場は地下1~2階になっている。ロビーは本館のロビーを再現し、アイコニックな“オークラ・ランターン”や満開の花に見立てた梅の花のテーブルと椅子など日本のデザインの意匠をちりばめた建築と一体化する空間だ。8~25階はオフィスフロアになるが、その動線はホテルとは分離されている。

 宿泊料は“ヘリテージ”が1泊1室2名朝食込み10万~120万円、“プレステージ”が1泊1室2名7~8万円。4月1日から、宿泊レストラン予約の受付を開始する。

 「ホテルオークラ」は1962年の開業以来、バラク・オバマ(Barack Obama)元米大統領をはじめとする世界各国の元首や故ダイアナ妃(Princess of Wales)ら世界のロイヤルファミリーを迎えてきたホテルだ。トーマス・マイヤー(Thomas Mayer)やポール・スミス(Paul Smith)、マーガレット・ハウエル(Margaret Howell)ら世界中のクリエイターからも高い支持を得たホテルでもある。本館の建て替え前には、日本のミッドセンチュリーデザインの精華と呼ばれたロビーを一目見ようと人々が訪れ、「オーキッドバー」は連日満席と、多くの人々に惜しまれながら15年8月に閉館した。「オークラ」の“プレステージ”のロビーには、かつて本館ロビーの正面にしつらえられた“六角”の通称を持つ花生け鉢が置かれ、5階「オーキッドバー」では本館で使用されていたカウンターを再利用し、椅子は革を張り変えて使用するなど、「ホテルオークラ」を象徴するジャパニーズ・モダンの意匠を随所に配している。

 虎ノ門には「オークラ」やハイアット(HYATT)による「アンダーズ東京(ANDAZ TOKYO)」のほか、2020年にはマリオット・インターナショナル(MARIOTT INTERNATIONAL)による「エディション(EDITION)」がオープンを予定しており、ホテル激戦区になりそうだ。

 後藤浩之・ホテルオークラ東京取締役新本館開業準備室長は、「それぞれのホテルの個性を生かして切磋琢磨していきたい」と語った。

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