LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、若手を支援するために創設した「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」の2019年のファイナリスト8組を発表した。日本から唯一セミファイナリストに残っていた「アンリアレイジ(ANREALAGE)」の森永邦彦デザイナーも勝ち残った。
「昨年よりも連絡が来るタイミングが遅かったので結果が気になっていた」と話す森永デザイナーは、「まずは率直に嬉しい」とファイナリストに残った喜びを語り、「まだ8組残っているので、6月の最終プレゼンテーションに向けて新作を作り、ベストを尽くしたい。ここまで来たらグランプリが取れるよう頑張りたい」と抱負を述べた。
新作の内容は「まだ明かせない」としつつも、「19-20年秋冬からスタートした新しいテーマがすごく好評だった。『アンリアレイジ』らしさもありながら、いい意味で流れを裏切るようなことをやりたい。まだアウトプットしていないことを出していきたいし、新しい挑戦をしていきたい」と語った。
森永デザイナー以外の7組は、「べサニー ウィリアムズ(BETHANY WILLIAMS)」のベサニー・ウィリアムズ、「ボード(BODE)」のエミリー・アダムス・ボード(Emily Adams Bode)、「ヘッド メイナー(HED MAYNER)」のヘッド・メイナー、「ケネス イズ(KENNETH IZE)」のケネス・イズドンモウエン(Kenneth Izedonmwen)、「ピップス(PHIPPS)」のスペンサー・ピップス(Spencer Phipps)、「ステファン クック(STEFAN COOKE)」のステファン・クック & ジェイク・バート(Jake Burt)、「テーベ マググ(THEBE MAGUGU)」のテーベ・マググ。ナイジェリア、南アフリカ、イスラエルから初のノミネートが出た。デルフィーヌ・アルノー(Delphine Alnault)=ルイ・ヴィトン エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、「ネットの普及などによりファッションが世界規模の市場になっている現代の様相を反映した結果になっていることを誇りに思う」とコメントした。
最終審査は6月に行われ、グランプリが決定する。グランプリを獲得したデザイナーは賞金30万ユーロ(約3270万円)と、LVMHのエキスパートによるコーチングを1年間受ける。昨年の「LVMHプライズ」グランプリには「ダブレット(DOUBLET)」の井野将之デザイナーが選ばれており、2年連続で日本人デザイナーがグランプリを獲得できるか注目だ。