オンワードホールディングス(HD)は4月2日にオープンする東京・代官山町の新商業施設「カシヤマ ダイカンヤマ(KASHIYAMA DAIKANYAMA)」を関係者に1日公開した。延床面積約2465平方メートル・全6フロアの同館は、オンワードHDが自社で開発したコンテンツを詰め込んでいる。地下1階はカフェ、1階はギャラリー、2〜3階にはセレクトショップの「マーケット(MARKET)」、4階はレストラン「コトー(COTEAU.)」、5階はバーを設けて、ファッション、食、デザイン、アートを融合した“五感を刺激する館”を目指す。
プロジェクトリーダーとして陣頭指揮を執ったオンワードHDの廣内武会長は「昨今、アパレル市場が厳しい状態の中、一つのモチベーションとして食を取り入れたファッションを提案する。“丘”というアイデアは、ヨーロッパの城下町からヒントを得ていて、東京に“モダンな都会の癒しの空間”として実現したいと考えた。東京オリンピックが開催される2020年以降も海外からのお客さまにも評価されるような館に育てていきたい」と語る。
外観は“丘”をコンセプトにコの字型の箱が重なるようなデザインで、内観は木材や大理石、鉄をベースに、植栽を随所に取り入れたラグジュアリーな空間だ。建築・内装デザインを「ネンド(NENDO)」の佐藤オオキ代表が担当。飲食はフレンチレストラン「スガラボ(SUGALABO)」の須賀洋介代表、ファッション&カルチャーを「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」創業者で「ケンゾー(KENZO)」クリエイティブ・ディレクターのキャロル・リム(Carol Lim)とウンベルト・レオン(Humberto Leon)が監修した。
地下1階は、エントランスとカフェのスペース。「スガラボ」シェフパティシエの成田一世の監修による焼き菓子やスイーツをはじめ、サラダやカツサンドなどの軽食、紅茶やコーヒー、お土産用のテイクアウトメニューを提供。価格は600〜2400円と手頃に設定している。1階のギャラリーではカルチャーとアートを発信していく。アート展示やワークショップ、セミナーなどを定期的に開催していく予定だ。レオンは「日本には素晴らしい文化があり、僕自身もインスピレーションをたくさん受けてきた。今企画段階だが音楽やアート、フリーマーケットなどさまざまなカルチャーを楽しめるイベントを開催していきたい」と話す。
2〜3階のレオンとリムが監修するキュレーション型のセレクトショップ “マーケット”は、若手デザイナーの発掘に力を入れる。東京発の「マメ(MAME KUROGOUCHI)」「サルバム(SULVAM)」「アキコアオキ(AKIKO AOKI)」をはじめ、ロンドン拠点の「カイダン・エディションズ(KWAIDAN EDITIONS)」やジョージア出身の「アヌーキ(ANOUKI)」「シチュエーショニスト(SITUATIONIST)」など気鋭デザイナーの商品をラインアップ。加えて、オンワード傘下の「ジル・サンダー(JIL SANDER)」「ジョゼフ(JOSEPH)」のほか、ディレクターの2人が手掛ける「オープニングセレモニー」や「ケンゾー」も販売し、店舗限定の商品も数多くそろえている。メンズコーナーではオーダースーツの「カシヤマ ザ・スマートテーラー(KASHIYAMA THE SMART TAILOR)」も取り扱う。
4階はフランス語で“丘”を意味する“コトー”の名を冠したレストラン。季節の食材を用いたフレンチコース料理を6800円から楽しむことができる。平日はディナーのみ、土日は5月をめどにランチ営業を開始する。最上階の5階は、代官山の夜景と東京タワーを望むバーを構える。世界中から集めた珍しいジンを扱うほか、カクテルやビール、ワイン、ウィスキーなどを振る舞う。
リムは「今日発表された新元号の“令和”には、“人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ”という思いが込められていると聞いた。“令和”とこの館に結びつきを感じ、この特別な日にレセプションを開くことができたことをうれしく思う」と語った。
■カシヤマ ダイカンヤマ
開業日:4月2日
営業時間:11:00〜24:00(地下1階は21:00まで、1〜3階は20:00まで、4階は17:30〜、5階17:00〜)
定休日:4階レストランと5階バーは月曜定休
住所:東京都渋谷区代官山町14-18