瀧定名古屋の19年1月期決算は、売上高が前期比2.2%増の662億円、本業のもうけを示す営業利益は同21.6%減の10億円になり、2期連続で減益になった。減益の最大の理由はアパレル市場、特に婦人服市場の不振だ。売上総利益率は10.5%になり、前期の11.3%から0.8ポイント悪化した。瀧健太郎社長は「婦人服地、紳士服地、紳士製品、婦人製品の全部門で粗利率は悪化したが、特に厳しかったのが婦人服市場だった。市場が悪い中で原材料の高騰も加わり、利益を圧迫した。今年度の見通しも引き続き厳しい。われわれが原料リスクを張った上での産地との中長期的な取り組みなどを通して、利益確保に全力を挙げる」と語った。
経常利益は同13.3%減の14億円、純利益は同35.4%減の7億7100万円。純利益の減少の主要因は関係会社への長期貸付金のための貸し倒れ引当金4億6300万円を特別損失に計上したため。
主力の服地部門の売上高は、紳士服地が同6.0%増の204億円、婦人服地が同3.0%増の208億円。製品部門は大手量販店への製品供給を主力にする紳士服が同2.8%増の139億円、婦人服が同5.2%減の125億円だった。「婦人服は受注が獲得できず、さらに暖冬の影響で追加発注もないというダブルパンチ。今年度も流通在庫が多いため、見通しは厳しい」。
ただ、海外への服地輸出や現地法人のテキスタイル販売を主力にした海外事業は好調で、同12%増だった。「中国での販売は引き続き好調で、米国や韓国でも拡販している。今年度は現地スタッフの育成に力を入れる」という。
瀧定名古屋は服地卸で国内2位の大手。毛織物産地の尾州(愛知県一宮市とその周辺エリア)で生産する毛織物販売で強みを持つ。