英ロックバンド、オアシス(OASIS)のフロントマンだったリアム・ギャラガー(Liam Gallagher)が手掛けるアパレルブランド「プリティー・グリーン(PRETTY GREEN)」が経営難のため破産申請し、破産管財人を務めるムーアフィールズ・アドバイザリー(MOORFIELDS ADVISORY)の管理下に入った。当面、店舗や百貨店などの販売拠点は引き続き営業する。
サイモン・トーマス(Simon Thomas)=ムーアフィールズ・アドバイザリー パートナーは、「『プリティー・グリーン』は根強いファンがいるブランドで、買収への関心も高く、よい買い手が見つかることを期待している。経営陣と連携しながら手続きを進めており、従業員にも今後の流れについて説明した」と語った。同ブランドが経営難に陥った理由としては、テナントとして入っていた英百貨店のハウス・オブ・フレーザー(HOUSE OF FRASER)が2018年8月に破綻したことが大きく影響したほか、コストの増大やECへの移行が思うように進まなかったことを挙げた。
09年にギャラガーが設立した「プリティー・グリーン」は、バンドの人気もあってオープン当時に大きな注目を集めた。1960~70年代のブリティッシュロックやモッズムーブメントなどを着想源としたメンズアパレルを取り扱っており、ブランド名はザ・ジャム(THE JAM)の曲名にちなんでいる。現在もギャラガー本人が最大株主で、その出身地であるマンチェスターに旗艦店を構えるほか、11の店舗とハウス・オブ・フレーザー内に33の売り場を展開している。
財政面では、2017年11月に英投資会社のロックプール・インベストメント(ROCKPOOL INVESTMENTS)から1100万ポンド(約15億円)の投資を受けている。英企業登記所によれば、18年1月までの16カ月では売上高が3820万ポンド(約55億円)で純損失が150万ポンド(約2億1600万円)だったが、19年1月期決算では売上高がおよそ3000万ポンド(約43億円)に落ち込んでいた。