文部科学省が今年度より新たに設けた制度による高等教育機関として、ファッション専門学校のモード学園などを運営する日本教育財団が開校した国際ファッション専門職大学が4月7日、入学式を東京、大阪、名古屋で同時開催した。第1期生は204人で、そのうち東京キャンパスの入学者が120人。
近藤誠一学長(元文化庁長官)は入学式で、「国境のないファッションの世界で、国際的に活躍する人材育成を目指す大学だ。世界のファッションとテクノロジーを学び、服に限らず、ライフデザイン、社会デザインを広く学んでほしい」などと訓示した。来賓として祝辞を述べた保元道宣オンワードホールディングス社長は「過去にとらわれず、令和時代の新しいファッションビジネスの成功事例を作ってほしい」などとエールを贈った。
また、学生を代表して、ファッションクリエイション学科に入学した大塚祥さん(東京・小平高校出身)は、「国際ファッション専門職大学は、大学と専門学校のよい点が集まっており、ファッションだけではない広い知識や教養を身につけることができると思って選んだ。ジャンルにとらわれず、かっこいいやかわいいを超えて人を感動させる服を作りたい」と目標を話した。ファッションビジネス学科に入学した齋藤杏さん(宮城・宮城野高校出身)は、「将来は、ファッション業界が抱えるさまざまな問題を解決できる人材になりたい。好きな企業はビームス。プレス業に興味がある」と期待に胸をふくらませていた。
同大学は、国内外での実習・インターンシップや、ファッション業界で経験を持つ教員が4割を占める指導体制、希望者就職率100%の就職支援システムなどが特徴だ。
日本教育財団は、東京、大阪、名古屋のモード学園のほか、IT・デジタルコンテンツの専門学校であるHAL、医療・福祉・スポーツの専門学校などを運営しており、全学生数は約1万8000人で、そのうち東京が約9000人。
“専門職大学”は国が55年ぶりに作った、実践的な職業教育に重点を置く新しい大学制度。