パルグループホールディングス(HD)の2019年2月期の連結業績は、売上高が前期比5.9%増の1304億円、営業利益が同12.6%増の79億円、純利益が同91.2%増の47億円で過去最高益を達成した。
期末店舗数はグループ全体で同9店舗減の926店舗。店舗数が前期を下回るのは、上場以来初めて。主力の衣料事業では不採算店舗など64店舗を閉店したほか、新規出店も慎重に進めた結果、期末店舗数が前期より32店舗減った。特にギャル系ブランドを展開する子会社の英・インターナショナルで16店舗を閉めている。
店舗数減にもかかわらず増収した要因は、生産プラットフォームの構築で低価格戦略商品の供給が整ってきたことや、SNS活用による集客策、そしてEC事業の成長などによる。EC事業では昨年6月よりオムニチャネル体制を本格始動したことが奏功。EC売上高は同38.2%増の152億円になった。売上高に対するEC化率は15.8%。サイト別では「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」が102億円で約67%を占める。
好調ブランドも自社・他社ECとリアル店舗をうまく連動させた事例が多い。自社ECと連携した「ウィムガゼット(WHIM GAZETTE)」は、既存店売上高(EC含む)が同52.3%増、「チャオパニックティピー」は「ゾゾタウン」の効果的な活用によって同21.1%増。「フーズフーチコ(WHO'S WHO CHICO)」「カスタネ(KASTANE)」「ルイス(LUI'S)」「ディコート(DISCOAT)」も、ECが成長ドライブになった。
一方、これまで好調に推移してきた雑貨ブランド「スリーコインズ(3COINS)」は、台風21号での被災により仕入れ在庫商品の供給が遅れ、販売機会損失が発生したため、同1.9%増の342億円と小幅な増収にとどまった。
利益面では、粗利益率が前期より0.1ポイント悪化して55.7%になった。4週間短サイクルMDの徹底やEC売上増によりプロパー消化率が向上し、ほとんどの衣料ブランドで利益が回復したものの、英・インターナショナルの大量退店に伴う在庫処分や雑貨ブランドの減益により、一部利益が押し下げられた。
今期(20年2月期)は、売上高1377億円(前期比5.5%増)、営業利益91億円(同15.8%増)、純利益55億円(同16.2%増)を見込んでいる。EC売上高200億円を計画する。