TSIホールディングスの2019年2月期連結業績は、売上高が前期比6.1%増の1650億円、営業利益が同5.6%増の22億円だった。低採算事業の撤退費などにより、純損益は2億300万円の赤字を計上した。暖冬によるコートの苦戦で、売上総利益率は1.4ポイント悪化した。
稼ぎ頭の「ナノ・ユニバース(NANO・UNIVERSE)」は同8.9%増の283億円、「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」が同2.8%増の121億円と、ブランドの個性を生かしたモノ作りが奏功した。低調が続いていた「ローズバッド(ROSE BUD)」も、強みのセレクトアイテムを増やすことで赤字幅が縮小している。
2020年2月期は、売上高1780億円(前期比7.9%増)、営業利益34億円(同48.4%増)を見込む。大幅な増益達成のため、好調ブランドにならって商品の原価率を上げ、妥協のないモノ作りによりプロパー価格で勝負する。上田谷真一社長は、「館の集客プランに従って売り減らす、セール前提のビジネスは限界。妥協のないモノづくりでブランドの個性を立て、プロパーにこだわり収益を取っていく」と話す。