2020年に就航予定のLCC(格安航空会社)ジップエアトーキョーは11日、機体デザインと運行乗務員、客室常務員、地上係員が着用する制服のデザインを発表した。制服のデザインを手掛けたのはデザイナーの堀内太郎だ。
斬新なのは制服にスニーカーを取り入れた点だ。西田真吾社長は「お客さまを迎えるときは革靴とパンプスというのが常識だった。スニーカーを採用したのは時代の流れが大きい。スニーカーが運動のためだけではなく、ファッションの一部になりライフスタイルを象徴するものになったからだ。制服には“仕事のパフォーマンスを最大化できるもの”を求めた。私自身、空港勤務の経験があり、立ちっぱなしで身体を動かす機会が多かった。パフォーマンスを出せるかは、靴がポイントになると考えた」と話す。
機能性を重視したのは、ジップエアは客室業務だけではなく、地上業務も同じスタッフが行うからだ。西田社長は「LCCは、お客さまと接する機会が少ない。お客さまと対面で触れ合うことで気づきを得られるはずで、当社は、各スタッフがその気づきを生かして実行に移すことができるような働き方を目指す。そこが他のエアラインとは異なる」と語る。
制服は“着回し”をコンセプトにジャケット、ワンピース、パンツ、スカートなど20アイテムをその日の業務内容や天候、体調や気分に合わせて自由に組み合わせて着ることができる。実際に空港で業務を見学・分析した結果をデザインした。堀内は、「スタッフがパンプスで走り回っていた。みんなで話し合う中で、一番の改善ポイントはスニーカーという結論にたどり着いた。制服で、“働き方をデザインしよう”という発想になった。同時に、規律、信頼感を保つ美しい統一感を、いいバランスで作りたいと考えた」とコメント。
ジップエアのアートディレクションを手掛けるシックスインクの矢後直規アートディレクターは「いろんな制服をリサーチした結果、制服は佇まいをデザインするものだと理解した。キーカラーや特徴的なフォルムでそのエアラインらしいトーンを作り空への憧れを持ってもらえるデザインだと感じたからだ。一方、エアラインの業務の動作は、走ったり、しゃがんだり、過酷。スニーカーは疲れないし動きやすいというのがみんなの共通認識にあった。結果、今回の制服のコンセプトが“佇まい”ではなく“働き方”をデザインしていくことになった」と経緯を語った。
完成した制服について西田社長は「パフォーマンスが最大化される工夫があるものに仕上がった。また、一人一人の個性を表現できるものでありながら、まとめてみると同じ所属であることがわかる制服に仕上がった」と語った。
ジップエアトーキョー(ZIPAIR Tokyo)は日本航空の100%子会社で2020年就航予定の国際線中長距離路線の格安航空会社(LCC)。