ロコンドの19年2月期連結決算は、商品取扱高が前期比48.4%増の141億円、売上高が同68.9%増の67億円、営業損失は9億7900万円(前期は3億2600万円の黒字)、経常損失は8億6200万円(同3億1200万円の黒字)、純損失は4億6500万円(同1億7500万円の黒字)と赤字に転落した。赤字になったのはデヴィ夫人を起用したテレビCMなど、認知度向上のための先行投資を行ったため。
今年3月に若い女性向けに強いアパレル通販サイト「モバコレ」を買収するなど、今年度も引き続き積極的な投資とM&Aを行う。また、CM効果の刈り取りで、今年度は商品取扱高225億円、営業利益をトントンにまで引き上げる計画だ。田中裕輔社長は「主力のネット通販サイト『ロコンド』は順調に推移している。M&Aに関しても手元資金が27億円あり、いい出合いがあれば50億円までなら積極的に仕掛けていきたい」と語った。
期末の会員数は同46.4%増の171万人、取り扱いブランド数は267増の2193ブランド、アクティブ会員数は49万人、平均購入単価(年間)は前期比ほぼ横ばいの1万261円だった。「100万人の会員を抱える『モバコレ』だが、アクティブ会員数の比率が10万人足らずと増やせる余地は高い。クーポンの発行や返品サービスのスタートなど、1年かけてアクティブ率を高めたい」。
一方、昨年8月に傘下に収めたシューズメーカーの三鈴商事(現Misuzu)は、不採算事業などから撤退したため、売上高10億円にまで絞った。利益体質の確立を優先させる一方、自社のインフラを活用するオムニコマース業態サービス“meets”で協業しており、4月には東京・吉祥寺の駅ビル「キラリナ」に実験店舗をオープンしている。