子ども服大手のナルミヤ・インターナショナルの2019年2月期業績は、売上高が前期比10.2%増の297億円、営業利益が同15.7%増の16億円、純利益が同2.3倍の18億円だった。同社は近年、百貨店からショッピングセンター(SC)とECに販路のシフトを進めている。当期はSCの売上高が、初めて百貨店を上回った。百貨店ブランドが不振だったが、SCとECの好調がカバーし、2ケタ増収増益を達成した。
販路別の売上高は、SCが同22%増の117億円。近年は積極的な出店姿勢を続けており、当期も純増20店舗の計161店舗。主力の「プティマイン(PETIT MAIN)」は100店舗を達成した。スケールメリットによる原価低減も寄与した。ECは同26%増の42億円。18年8月の自社ECサイトの大幅リニューアルなどが奏功した。百貨店はジュニア向けブランドの不調が響き、同5.7%減の97億円だった。海外事業では、18年8月に中国のECモール「Tモール」に進出。男児服の在庫不足や、中国の寒冷な気候と商品企画のミスマッチにより、2億円の売り上げにとどまった。
20年2月期は売上高が前期比11.1%増の330億円、営業利益が同5.3%増の17億円、純利益が8.7%増の10億円を予想する。同様のペースでの新規出店、SC・ECのポイント共通化による既存店強化、3月に買収したハートフィール社の男児服ブランド「グラソス(GLAZOS)」などを成長のトリガーとする。EC化率は現状の14%から20%に引き上げる。低調な百貨店事業は「ポケモン」やディズニーなど、他社のメジャーキャラクターを使った商品の導入などによりテコ入れする。