J.クルー グループ(J.CREW GROUP)は、暫定最高経営責任者(CEO)にマイケル・ニコルソン(Michael Nicholson)社長兼最高執行責任者を任命した。同職はジム・ブレット(Jim Brett)前CEOが昨年秋に退任して以来空席だった。
また、「J.クルー」の妹ブランド「メイドウェル(MADEWELL)」の上場を含む新戦略を検討中で、上場は早ければ今年後半だという。「メイドウェル」の19年1月期の売上高は前期比26.0%増の5億2914万ドル(約587億円)で、15億〜20億ドル(約1665億〜2220億円)の価値があるとされている。この上場が実現すれば、J.クルー グループは約16億7000万ドル(約1853億円)という巨額の負債と債権者からのプレッシャーを軽減することができる。
同社はまた、3月にニューヨーク・トライベッカのメンズ専門店「リカーストア」を閉店した。店の閉店は昨年決断していたという。「物件の契約更新のタイミングで、不採算店舗の閉店という戦略的決定をした」と同社は説明する。
同店は、2008年に当時「J.クルー」のメンズウエアのトップだったトッド・スナイダー(Todd Snyder)と故ケイト・スペードの夫アンディ・スペード(Andy Spade)、当時CEOだったミラード・ドレクスラー(Millard Drexler)前会長の3人が実験店舗としてオープン。古いバーを居抜きで使った重厚感のある内装に「レッド・ウィング(RED WING)」の靴や「トーマスメイソン(THOMAS MASON)」のシャツなどをそろえて熱烈な支持を集め、メンズショップの新たなスタンダードを確立した。
同社の19年1月期の売上高は前期比4.6%増の24億8399万ドル(約2757億円)、純損失は前期から微減し1億2007万ドル(約133億円)だった。