「ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」などを擁するOTBの2018年12月期決算は、売上高が前期比5.2%減の14億4000万ユーロ(約1800億円)で、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同20.9%減の4150万ユーロ(約51億8750万円)と減収減益だった。
同社は傘下ブランド別での売上高は開示していないが、主力事業である「ディーゼル」の不調が響いて減収となった。同ブランドはアジア、特に日本では引き続き好調だったが、ヨーロッパと北米での売り上げが低迷。伊ディーゼルの米子会社であるディーゼルUSA(DIESEL USA)は3月5日、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の適用を申請している。OTBは同ブランドについて、「不採算店の閉鎖や『ディーゼル』のみを取り扱う小型店を開店するほか、既存店の60%程度を改装し、テーマを設けたポップアップなども実施する。ECや重要な卸先との戦略的な提携も強化する」と再建策を発表した。なお、その他の傘下ブランドは全体に好調で、売上高を伸ばしているという。
ウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)最高経営責任者は、「18年は“リセットの年”だった。当社には長期的な目標があり、それを実現するための戦略もある。傘下ブランドの成長を促進するための投資計画も策定されている。また、新たな機会を検討できる財政状況にある」と語り、買収を行う可能性を示唆した。同社は、財政難のため事業再建策を裁判所に提出したロベルト・カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)の買い手候補として以前から名前が挙がっている。なお、OTBの子会社であるスタッフ・インターナショナル(STAFF INTERNATIONAL)は、「ロベルト カヴァリ」のコンテンポラリーラインである「ジャスト カヴァリ(JUST CAVALLI)」とライセンス契約を結んでいる。
またOTBは今後3年間でおよそ2億ユーロ(約250億円)を投じ、180店の新規オープンなどの販売網の増強のほか、各市場における販売チャネルや物流の強化といった事業開発に取り組むという。