今年3月に六本木ヒルズがプチリニューアルし、オトナ女性のためのファッションブランドが充実した。ウエストウォーク3階にサザビーリーグの「エブール(EBURE)」とベイクルーズグループの「プラージュ(PLAGE)」がオープンしたほか、サンエー・インターナショナルの「アドーア(ADORE)」も移転リニューアルオープンした。いずれも素材やディテール、シルエットに定評があり、スタイリストやバイヤーなど服のプロフェッショナルからの支持が大きい。今回その魅力を新たに探るべく、ブランドと縁の深い服のプロたちにおすすめの商品とそのスタイリングポイントを聞いた。シリーズ第1弾は2016年にロンハーマン(RON HERMAN)で10型のコートの展開から始まった「エブール」をお届けする。
3年目を迎えて着実にファンを広げる「エブール」を立ち上げから見守ってきたのが、根岸由香里ロンハーマン・ウィメンズ・クリエイティブ・ディレクターだ。根岸ディレクターは「エブール」の魅力をこう語る。「酒井典子ディレクターをはじめ、キャリアを積んできた腕のある大人たちによるブランドで、彼女たちは生地やパターン、縫製のスペシャリストであることはもちろん、すごいなと思うのは “今の感覚”を持ち続けているところ。大人の抜け感が服にも表れています。私自身、世界中でいろんな服を見ているけれど、価格帯も含めてこのクオリティーのブランドはなかなかありません」と言い切る。さらに「エブール」の真骨頂に気づいたのは、彼女自身が出産を経て再びブランドの服を着用したときだという。「出産前に履いていたパンツが履けなくなったりして、腰回りなど体形の変化に気づく中で、『エブール』の服を着たときにシルエットがとてもきれいで感動しました。変化していく大人の女性の身体をとてもきれいに見せてくれるブランドだと実感しましたね」。
着られるワンピース
根岸ディレクターがこの日着ていたのは、定番のリネン混生地を使った鮮やかなフューシャピンクのワンピースだ。「見た目はリネン風だけれど、ポリエステル混でしわになりにくいから折りたたんでも大丈夫。だから旅先のリゾート地で1枚でも着られるし、ジュエリーやきれい目なメイクと合わせれば街でも違和感なく着られます。ワイドパンツと合わせてレイヤードにしたり、ブラウジングしたりしても雰囲気が変わるので、シンプルだけど幅広く着られてコーディネートが楽しい1着ですね」。
オーガンジーのコート
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ブランドが10型のコートで始まったように、アウターは今でも「エブール」の看板アイテムだ。この春夏に提案するのは、ポリエステルのオーガンジーで仕立てた軽くて透けるドレスコート。「シルク100%だと気負ってしまうけれど、ポリエステルならカジュアルにも着こなせます。初夏にTシャツとワイドパンツと合わせてさらっと羽織ってもいいし、ファッション感度が高いパリのような街でキレイめに合わせても素敵。1枚着るだけですごく雰囲気が変わります。これは本当に名品!」と根岸ディレクターも太鼓判を押す。
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上記のコートと同じポリエステルで仕立てたスカートは、たっぷりとしたボリューム感が心をくすぐる。「歩いたときの足さばきで揺れるシルエットがとにかく本当にきれい。ぜいたくで余裕がある。それと、地味だけれどとても感動する『エブール』のポイントの一つが、ペチコートがそれぞれのアイテムに合わせて作られているところ!丈もシルエットもスカートが一番きれいに見えるように計算されていて、細部へのこだわりが行き届いている。ラグジュアリーブランドにもなかなか見られない配慮。商品を買った瞬間からすぐに着こなせるのがとてもうれしい」。
リネンのワンピース
「やや気楽になりがちなリネンのワンピースも、『エブール』ならクリーンでクラス感のある仕上がりになります。生地についての深い造詣と、パターンがその理由だと思います」と根岸ディレクター。チェック柄×リネンの生地も、絶妙な色合いとパターンで大人が着られるドレスに進化する。「襟抜きしなくても、着ただけでこの形になるのはパターンのなせる業。それから『エブール』はニュアンスカラーが得意で、どの色もトーンが絶妙です。このワンピースも少しグレイッシュで大人が着られる色に仕上がっていますよね。リゾートでも着られるけれど、ぜひ街で着てほしいですね。生地から色、パターンに至るまでこだわって作られた『エブール』の上質さを大人の女性に楽しんでもらえたらと思います」。
六本木ヒルズウエストウォーク 3F
エブール六本木店
03-6447-5216