画像共有サイトの米ピンタレスト(PINTEREST)は4月17日、ニューヨーク証券取引所に新規上場した。公開価格は15~17ドル(約1665~1887円)の見込みだったが、人気などを勘案して19ドル(約2109円)に調整された。初値は23.75ドル(約2636円)と公開価格を25%上回る好調な滑り出しとなり、終日高値で推移。終値は24.40ドル(約2708円)で、時価総額は128億3400万ドル(約1兆4245億円)となった。
広告市場でのシェアを伸ばしたことが奏功し、ピンタレストの2018年の売上高は前年比60%増の7億5590万ドル(約839億円)と大幅に増収したものの、会社の成長や事業開発の費用がかさみ、6300万ドル(約69億9300万円)の純損失を計上している。
ピンタレストは世界でおよそ2億5000万のユーザーを抱えており、米国ではインターネットユーザーの約43%が利用しているという。マネタイズはまだ初期段階にあるが、「ピンタレスト」では1日に何十億回もの検索が行われる上に、ユーザーは“何かを購入したい気分”であることが多いため、広告主にとって理想的なプラットフォームだと同社は説明する。「米国に住むママの10人のうち8人が当社のサービスを利用している。多くの場合、家庭内で買い物の実権はママが握っている。そしてミレニアル世代の半数以上が当社のユーザーだ」。また同社は、「ユーザーは雑誌やカタログを眺めるのと同じ感覚で『ピンタレスト』を使っているため、そうした従来のメディアに出稿しているブランドの広告費を獲得するチャンスがあると思う。ほかのSNSでは、広告は気が散って邪魔だという扱いをされがちだが、『ピンタレスト』では通常のコンテンツと同様に受け止められるところが異なる」とコメントした。
最近では、18年9月にラグジュアリーEC企業大手の英ファーフェッチ(FARFETCH)が新規上場し、19年3月にリーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS)が再上場している。また、VFコープ(VF CORP)が近い将来にデニム事業を新会社コントール(KONTOOR)として分社化する予定であるほか、ギャップ(GAP)は傘下ブランドの「オールドネイビー(OLD NAVY)」を来年上場して独立させることを発表している。