繊維商社のモリリンは、創立115周年にちなんで掲げた中期経営計画「チャレンジ115」の3カ年の最終年度となる2019年2月期決算の業績(単体)を発表した。売上高は前期比5.1%増の1108億円で、2期連続の増収。営業利益は同31.6%減の17億円、経常利益は同18.8%減の24億円の減益となったものの、3期累計の利益は74億円の計画に対して85億円となり、目標額は上回った。
部門別構成比率で55%を占めるアパレル製品部門の売上高は、同3.8%増の609億円だった。
SC系ブランド、SPA、セレクトショップへの販売の好調、スポーツ、ユニホーム、ネット通販などへの新規販路が拡大したことが増収要因になった。一方、百貨店やGMS向け取引の減少、海外生産の品質のトラブルや納期の遅れによる物流コストの増加などが減益に影響した。
今期は森正志社長の下、森健吉専務を営業部門、森俊輔専務を管理部門のそれぞれトップに据え、新組織で臨む。森社長は「新規の販路拡大と商材開発、品質向上、海外市場の開拓などを重点課題とし、3人体制で会社を引っ張る」と話した。減益の一因となったアセアン生産の改善策として、生産量が増えているバングラデシュのダッカに駐在員事務所を開設し、チッタゴンにある加工センターの管理や国内との連携を強めるという。
20年2月期の売上高は単体で1150億円、経常利益30億円、グループで1550億円、経常利益40億円を計画している。