「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」の新アーティスティック・ディレクターに、アメリカ人デザイナーのダニエル・ローズベリー(Daniel Roseberry)が就任した。2015年から同ブランドのデザイン・ディレクターを務めていたベルトラン・ギュイヨン(Bertrand Guyon)は19年4月19日に退任している。
ローズベリー=アーティスティック・ディレクターは08年に「トム ブラウン(THOM BROWNE)」に加わり、メンズとウィメンズのデザイン・ディレクターを務めた。「スキャパレリ」では全てのコレクションやプロジェクトと、それらに伴うイメージなどをディレクションする。同氏は、「創業者のエルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)はモダニズム的作風を得意としており、そのデザインは彼女が生きた激動の時代の混沌と希望を映し出している。現代に生きるわれわれも、“芸術とは何か?アイデンティティーとは何か?世界の終わりには何を着るべきだろうか?”という哲学的な問いかけをしている。彼女の偉業の一つは、混沌とした時代に人々はファンタジーを必要とすることを理解していたことだ。私は、先ほどの問いかけに私なりの答えを出し、今日に必要とされるファンタジーや夢を提供したい」と述べた。
同ブランドのオーナーであるディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)=トッズ・グループ(TOD’S GROUP)会長兼最高経営責任者は、「ダニエルをアーティスティック・ディレクターに迎えることができ、大変うれしく思っている。彼のモダンで画期的な創造性と豊かな才能は、ユニークで革新的なブランドである『スキャパレリ』の発展に大いに貢献してくれるだろう」と語った。
「スキャパレリ」は現在ブランド強化に取り組んでおり、18年にウエアのラインを刷新したほか、初のハンドバッグを発表した。また、米百貨店バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)にポップアップを出店し、初めてパリの店舗以外の場所に進出した。19年はウエアの展開をさらに推し進め、ポップアップなどで新製品を発売していくという。ほかにも、パリ・オペラ座の創立350周年記念プログラムの一環である5月8日のガラ公演で、同劇場とのコラボレーションを行う予定だ。