ジーンズメーカーのベティスミス(岡山県倉敷市、大島康弘社長)は、農機のヤンマー(大阪市、山岡健人社長)と共同開発したユニバーサルデザインの作業エプロンを5月1日に発売する。誰でも簡単に着脱できるよう、腰ひもに面ファスナーを採用したユニバーサルデザインで、ボディーにはタフな14オンスの国産デニムを使用した。ベティスミスと高島屋の一部店舗、ベティスミスとヤンマーのECで販売する。
倉敷市に農業関連の研究開発ラボを置くヤンマーが、同市に本社を置くジーンズメーカーであるベティスミスに、社員の作業着開発を依頼したことで協業に至った。ヤンマーの倉敷のラボでは、社員は農作業や高所作業を伴う業務に従事し、身体障害者も在籍する。彼らの作業に最適な、丈夫で使いやすい作業着を提供するため、両者がノウハウを出し合って作り上げた。「予想以上に完成度が高く仕上がり、社員の作業着とするだけではもったいなかった」(大島社長)ため、一般販売を決めた。
前面のポケットには、間隔を空けて2重にステッチを入れるなど、ジーンズメーカーならではの耐久性を上げる工夫を施した。ほかにも、ハサミなど工具の落下を防止するためのストラップ用のハトメがついていたり、下部を巻き上げてボタンで止めることで野菜を入れるポケットになったりと、現場の意見を仕様に反映した。
「当社がこだわって作り続けてきたデニムを、本来の役割である作業着に落とし込むことで、今までにありそうでなかったエプロンが完成した」と大島社長。「これまでの考え方にしばられず、今後も新しいデニムの役割を模索していきたい」。