ファッション

「令和」の幕開けはこんなワインで乾杯 フレンチワインをファッションにたとえたら?

 新元号「令和」の開幕を祝し、ここ東京では心なしか新春ムードにも似たワクワク感が広がっている。デパートやブティックの華やかなショーウィンドーも、ハッピー気分をアップしてくれる。

 そんな時代の空気感にフィットする祝杯に是非とも選びたい、エレガントなワインボトルに銀座で出合った。あのオリエント急行の車内装飾や、東京・白金台にある東京都庭園美術館のインテリアにも用いられるなど、クリスタルガラス界のオートクチュールと称される、創業130周年を迎えた老舗メゾン「ラリック(LALIQUE)」の銀座本店でのことだ。

 創業者ルネ・ラリック(Rene Lalique)の類まれな才能を継承しつつ更なる進化を続け、装飾品(デコラティブ)、ジュエリー、フレグランス、インテリアデザイン、アート。そしてさらにホテルをはじめとするアート・オブ・ライフスタイルの一部としてのワインの展開が、遂に日本上陸となった。

 ワイン愛好家にはその極上の味わいが、また私自身を含めメゾンのファンにとっては、美しいアートが施されたボトルはコレクションアイテムに加えたくなるに違いない。たとえば、1928年にルネ・ラリックがデザインしたオリエント急行のキャビンを飾った「ファム エ レザン」が、創業1618年という由緒正しき「シャトー ラフォリ ペラゲ」のワインボトルを飾っているではないか!ちなみに当シャトー内に2018年、ラリックホテルが完成したとのこと。リニューアル・グランドオープンに先駆けて開催されたレセプションでも振舞われた、シャンパーニュのメゾン「ドゥーツ(DEUTZ)」とのプレシャスなマリアージュもご注目あれ。

 さて、そんな「ラリック」での素敵な出合い同様、毎年恒例の日本最大の食の祭典として知られる「フーデックスジャパン 2019」では、ボルドー&ボルドー・シュペリュールワインの女性を中心とした生産者たちに出会った。彼らと共に東京・八丁堀のフレンチレストラン「マチュリテ」で、ワインとのペアリングを踏まえたスペシャルメニューをテイスティングした際、何とも奇想天外なスペシャルトークに花が咲いた。テーマは「あなたのお薦めの1本をファッションブランドにたとえたら」だ。

●オートクチュールに通ずる
ビオワイン

 「上質で力強く、そしてエレガンスを兼ね備えた、『サンローラン(SAINT LAURENT)』のイメージのこの1本、『シャトー・ラ・ロゼ・ブルデュー(Chateau La Rose Bourdieu))を選びました。ネーミングにもあるように、バラを連想させる深紅色と複雑なブーケが特徴のビオワインです。現シャトーオーナーであるフレンドリーな女性のブドウ畑とワインへの純愛は、丁寧にじっくりと6カ月以上の時間をかけ、熟した果実を思わせる華やかな香りへと導く手法はあたかもオートクチュールの世界に通じるかも」

●イメージはコットンの
サマードレス

 「『シャトー・プノ(Chateau Peneau)』はイメージとしてはフレンチカジュアルブランド『セザンヌ(SEZANE)』で、具体的にはコットンのサラサラとした感触が肌に心地よいサマードレス。南国フルーツのパワフルで表現力豊かなアロマから、やや複雑なフローラルのアロマへとたどる香りの旅は、シーフードとのペアリングも楽しめます」

●あの有力メゾンのように
とびきりエレガント

 「『シャトー・ド・ロバード(Chateau de L’Aubrade)』はボディラインにぴったりとフィットし、裾に向かって広がるエレガントでフェミニンなロングドレス。ブランドに例えるなら、『シャネル(CHANEL)』や『ディオール(DIOR)』でしょうか。また女性像としては見た目にも気を配り、流行に敏感で、すらりと背が高いようなイメージ。フルーティーな風味と花のような香りのとびきりエレガントな白ワインです」

●スミレの花のアロマが日常になじむ一本

 最後に、「日本が大好きで、19回ほど日本を訪れています!」と、日本人の先生について目下習得中という日本語に親しみ覚えるムッシュにご登場願った。

 「日々の暮らしに心地よくなじみ、スミレの花のアロマも楽しめる「ザラ(ZARA)」の服のような1本、『レオー ド べレール(Les Hauts de Bel Air)』をピックアップいたしました。親しい友人たちや家族たちと和気あいあいと過ごす、日常の一コマを心豊かに彩ってくれると思います」

 近年ますます進んでいる、ファッションとグルメのペアリング。とりわけワインとのマリアージュは、まるでスタイリングを楽しむ時間にも似ている。

ウサミヒロコ:幼少期より関心の高かった「デザイン」(ファッション&シネマ、アート&インテリア、ウエルネス&グルメなど)への情熱を、FMラジオ番組制作からスタートし、雑誌、書籍、新聞、ウェブなどのメディアにて、国内外問わずさまざまなチームプレーで活動を続けるライフスタイルジャーナリスト。取材を通じて訪れる国々で出会う、多国籍の人々との交流を愛する東京オリンピック開催地周辺生まれの東京人

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