サマンサタバサジャパンリミテッドは、紳士服専門店のコナカ社長の湖中謙介氏が社外取締役に就任する人事案を撤回すると発表した。湖中氏は5月23日開催の株主総会後に就任する予定だった。人事案が発表されたのは4月12日であり、わずか2週間で取り下げたことになる。湖中氏から辞任の申し出を受けて26日に急きょ取締役会を開き、決定した。サマンサの社外取締役とコナカの経営の「業務上の兼務が困難だと判明した」とサマンサは説明する。湖中氏に代わる社外取締役を選任する予定はないという。
人事案と同時に発表された湖中氏への株式の譲渡は予定通り実施する。サマンサの創業者である寺田和正氏(4月25日付で社長を退任して取締役に異動)が保有する62.6%の半分を湖中氏が取得し、寺田氏と並ぶ筆頭株主に就く。同社は「当社の主要株主としての立場から有益な意見をいただく」としている。
寺田氏は「湖中氏は10年来の知り合いで、以前から当社の経営に興味を持ってくれていたので、このタイミングで資本参加してもらった」と語っていた。