ワールドの2019年3月期連結業績(国際会計基準)は、本業のもうけを示すコア営業利益が前期比2.5%増の163億円だった。販管費率を1.1ポイント抑制するなど、アパレル市場が低迷する中でも徹底した経費コントロールが奏功した。コア営業利益は4期連続の増益となる。大量の店舗閉鎖などを断行した構造改革から4年。7日の会見に登壇した上山健二社長は「着実に利益を出しやすい筋肉質なPL(損益計算書)になってきた」と自信を深める。
売上高に相当する売上収益は同1.6%増の2498億円で、7期ぶりの増収だった。「ラグタグ(RAGTAG)」を運営するティンパンアレイ、インテリア・雑貨のアスプルンドなど、M&Aで傘下に入れた企業が貢献した。ただ、従来からのアパレル部門は総じて苦戦しており、既存店売上高(国内)は同3.0%減で終わった。ショッピングセンターで展開する「ザ・ショップ・TK(THE SHOP TK)」「ハッシュアッシュ(HUSHUSH)」などが厳しい結果となった。それでも下期は値引き抑制に努めたことで、利益へのダメージを小さくした。
コア営業利益を事業別にみると、約6割を占める柱であるブランド事業の落ち込みを、ECソリューションなどのデジタル事業、生産からは販売までのプラットフォーム事業など、同業他社を顧客にした事業の伸びでカバーしている。
今期(20年3月期)は、売上収益が前期比0.1%増の2500億円、コア営業利益が同7.2%の175億円を計画する。