ファッションメゾンやフレグランスビジネスを展開するプーチ(PUIG)の2018年度決算は、売上高が前期比0.2%減の19億3300万ユーロ(約2377億円)、税引き前当期利益が同5.1%増の3億2600万ユーロ(約400億円)、純利益が同6.1%増の2億4200万ユーロ(約297億円)だった。
売り上げのうち14%は本国のスペイン、残りの86%は国外マーケットが占めた。中でも北米とヨーロッパのビジネスが大きく、全体の41%になった。19年にはコロンビアの化粧品企業、ロト デル シュール(LOTO DEL SUR)とインドの化粧品企業、カマ アーユルヴェーダ(KAMA AYURVEDA)の少数株式を取得し、今後の買収も検討しているという。
ファッションでは、「ニナ リッチ(NINA RICCI)」がルシェミー・ボッター(Rushemy Botter)とリジー・ヘブラー(Lisi Herrebrugh)を新しいクレイティブ・ディレクターに迎え、デビューコレクションの反応は良かったという。ジュリエン・ドッセーナ(Julien Dossena)=クリエイティブ・ディレクターが率いる「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」のコレクションもここ数シーズンのプレスの評価が高かった。
フレグランスでは16年にライセンスを取得した「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」の売り上げが、同社傘下になってから過去最高を達成。昨年デザイナーが創業者のキャロリーナからウェス・ゴードン(Wes Gordon)=クリエイティブ・ディレクターに代わった「キャロリーナ ヘレラ(CAROLINA HERRERA)」は「グッド ガール」が人気で、18年において最も速く成長したウィメンズフレグランスだった。「パコ ラバンヌ」は「ワン ミリオン」が好調で順調に売り上げを伸ばしている。また「ペンハリガン(PENHALIGON'S)」は市場の平均よりも高いペースで成長し、「ラルチザン パフューム(L’ARTISAN PARFUMEUR)」は旗艦店と百貨店における売り上げを伸ばし、今後はよりグローバルな成長を目指す。
18年は「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」の過半数株式を取得し、今後はフレグランスの展開に注力する。さらに、「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」のビューティライセンスを取得し、メイクアップ事業を成長させる狙いだ。一方で「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のフレグランスライセンスの契約を終了し、「プラダ(PRADA)」と契約を終了する噂が立っている。
同社は25年までに売上高30億ユーロ(約3690億円)を目指し、中でも「パコ ラバンヌ」と「キャロリーナ へレラ」はいずれも10億ユーロ(約1230億円)を達成させたいという。