いわゆる「マルキュー系ブランド」に憧れて育ってきた平成初期生まれの女子は、同世代で集まると今でもどのブランドが好きだったかで、かなり盛り上がる。「このブランドが好きな自分」が、自己表現に繋がっていた。そして今、好きなファッションブランドを聞くと若者の大半が「特にない」と答える。若者のファッションブランドとの関わり方は、この30年間で大きく変化した。2009年以降、ファストファッションブランドの日本上陸や「GU」等の登場で、低価格でトレンドのファッションを楽しめることは、もはや当たり前となった。若者はファッションをブランドではなくテイストで選ぶようになり、その日の気分や会う人・行く場所に合わせてガラリとファッションテイストを変える。SNSが主な自己表現の場となっている若者にとって、ファッションは自己表現ツールとしてよりも、コミュニケーションツールとしての役割が大きくなったのだ。
長田(おさだ)麻衣SHIBUYA109 lab.所長:1991年生まれ。SHIBUYA109エンタテイメント SHIBUYA109 lab.所長。総合マーケティング会社で、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て、SHIBUYA109のマーケティング担当となる。現在は毎月200人のアラウンド20(15歳〜24歳の男女)と接する毎日を過ごしている
【業界人の「平成プレイバック」】
ファッション・ビューティ業界の若手からベテランまで「平成時代に印象に残った出来事」とは?