「ニベア(NIVEA)」や「ラ・プレリー(LA PRAIRIE)」を傘下に持つバイヤスドルフ(BEIERSDORF)は、独製薬会社のバイエル(BAYER)から日焼け止めブランド「コパトーン(COPPERTONE)」を5億5000万ドル(約599億円)で買収した。この買収でバイヤスドルフは世界最大規模である北米のサンケア市場に本格進出する。一方で、バイエルには今後「アスピリン(ASPIRIN)」「アリーブ(ALEVE)」「クラリチン(CLARITIN)」など、主軸の市販薬ブランドの成長に集中する。
バイヤスドルフは「コパトーン」のグローバルな商標や権利を取得し、約450人の従業員およびテネシー州クリーブランドにある生産拠点を傘下にする。ステファン・ド・ローカー(Stefan De Loecker)最高経営責任者は「われわれはスキンケアを中心に扱っており、スキンプロテクションによる肌のケアの大切さを60年以上うたってきた。今回の買収も、スキンケア市場へのコミットメントを表すものだ。ヨーロッパの企業であるわれわれのサンケアのノウハウと、北米のサンケアのパイオニアである『コパトーン』が一緒になることで世界中に信頼できるサンケアを届ける」とコメントした。
「コパトーン」は北米初のサンケアブランドとして1944年に創立。ニュージャージー州のホイッパニーを拠点にし、北米やカナダ、中国で製品を販売している。昨年は2億1300万ドル(約232億円)を売り上げた。なお日本では大正製薬が「コパトーン」の製品を手掛けている。一方でバイヤスドルフは「ニベア」「ユーセリン(EUCERIN)」「アクアフォー(AQUAPHOR)」「ラ・プレリー」を展開している。