レナウンは15日、次期社長に神保佳幸・取締役上席執行役員(56)が5月23日付で昇格するトップ人事を発表した。約10年間にわたって同社を率いた北畑稔社長(57)は代表権のない会長に退く。
2009年に47歳の若さで社長に就任した北畑氏は、子会社だった英アクアスキュータム(AQUASCUTUM)や婦人服のレリアンの売却など、事業の選択と集中を進めた。10年には中国の繊維大手である山東如意科技集団と資本提携を結び、13年にはその連結子会社になった。だが主力である百貨店での販売は苦戦し、ショッピングセンターやECなど新規流通でも出遅れて、期待されていた中国での販売も伸び悩んだ。19年2月期は最終損益が39億円の赤字に転落し、4月の記者会見で北畑氏は「責任を痛感している」と話していた。
次期社長の神保氏は09年に取締役に就任してから経理、海外事業、経営企画、経営管理などの責任者を担って、北畑社長を支えてきた。