ファッション

モデルもダイヤルも選び放題! サステイナブル時計「ボーム」作りに挑戦

 個性を尊重する潮流と、1点モノの制作が容易・可能になった技術革新の結果、ファッション&ビューティ業界では「パーソナライゼーション」や「カスタマイゼーション」、いわゆる世界に(ほぼ)1つの品物を作るサービスを提供するブランドや企業が増えている。

 そこで「WWDジャパン」と「WWDビューティ」編集部が、記者としての視点に立ってサービスの利便性や価格、パソコンやスマホ使ったパーソナライズの過程などを検証。トレンドや最新ムーブメントなどを知るからこそのアイデアを形にしてもらい、それを紹介します。

時計「ボーム」 スイス製へのこだわりを捨てるリシュモンらしからぬ戦略で新客にアピール

 第一回は、「カルティエ(CARTIER)」や「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」「ジャガー・ルクルト(JAEGER LECOULTRE)」などを擁する時計界の名門、コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)が昨年ローンチした時計ブランド「ボーム(BAUME)」。名門傘下のブランドながら、6万2000円~という魅力的なプライス。さらにリサイクルアルミやコルク、コットンなどサステイナブルな素材使いにも注目です。

 ということで早速、“時計作り”をスマホでスタート!すでにこの時点で未体験ゆえワクワクしますが、今回はパーソナライズに空港ラウンジで挑戦(笑)。「海外に行く時も便利な、ちょっと変わったスタイルのお供、もしくは“ハズし”になりそうな時計」を作りたいと思います。

 最初に選ぶのは、モデルです。 時計の世界には、ストップウオッチの機能を持つクロノグラフや、圧倒的な防水性を誇るダイバーズなど、時計にはさまざまなモデルがあります。「ボーム」では、小さな秒針ダイヤル付きのスモールセコンド、月の満ち欠けを知らせるムーンフェイズ、それに時、分、秒をそれぞれ別のダイヤルで伝えるオートマティックなどのモデルをそろえますが、僕が選んだのは扇状に動く針が特徴のカレンダー機構を搭載したレトログラード。9時位置には日付を知るカレンダーが、そして1~2時位置には曜日表示があるタイプです。レトログラードというのは、針が一方の端まで到達すると、ビョーン(もしくはカチャッかなw)とスタート地点に一気に戻る機構のこと。時計愛好家間が「おっ、レトログラードなんだ。技術力あるね~」とリアクションしちゃう機構です。

 お次は色。ケースはゴールドやシルバー、ブラック、文字盤はブルーやグレー、そして針もゴールドやブラックなど、パーソナライズの醍醐味とも言える多彩なラインアップです。色を変えると趣が大変身するのでモーレツに迷いましたが、2019-20年秋冬のファッションがレトロにシフトしていること、そして時計業界では何かにグレーが混じったようなニュアンスカラーが台頭していることから、この2色は使いたいところ。でも個性的にまとめたいし、現在愛用中の「カルティエ」“サントス ドゥ カルティエ”のスマートなシルバーとは違う雰囲気にまとめたい!そんなこんなでイロイロ試すこと10分、サイコーに楽しい時間を経て、ゴールドのケースと針、そこにグレーホワイトの文字盤で大決定しました。

 最後は、ベルトです。「ボーム」は、再生可能な素材を多用するサステイナブルブランド。ゆえにベルトもコットン&リネンなどの布帛や、コルク、人工皮革のアルカンターラ(ALCANTARA)などをそろえます。ここは、他ブランドとは全然違うコルクをチョイスです。でも、迷ってもご安心。「ボーム」は、さまざまなストラップを単品で販売しており、ボタン1つで簡単に付け替えられます。

 「終わった~」と思ったら、刻印のサービスがありました。書体まで選べます。ケースバックに好きな文字が入れられるという粋なサービスは、ギフトにピッタリ。ここはベタに名前と、思い出のため今携わっている媒体の名前を入れてみましょう(笑)。もう転職できないですね(笑)。

 と、一連の作業は、1回迷いに迷って“振り出し”に戻ったのを含めおよそ40分でした。いやぁ、迷いますね(笑)。僕は、比較的サクサクと物事を決められるタイプですが、それでも楽しく迷いました。でも、これこそがパーソナライズの醍醐味です。

 商品は“ちょっぱや”、1週間で海外から到着しました(商品によっては、最大1カ月程度の時間を要するそうです)。ケースは、以降ペン立てとかに使えそう。これも再生可能素材で作られています。

 そして完成品は、ケースのゴールドがレトロな輝きを放ち、グレーホワイトのニュアンスカラー、特に見る角度によって表情を変えるのがステキ!ゴールドの針は、僕らしく人と違う個性を放っています(笑)。コルクのベルトは、正直、僕の細い手首にフィットするのか不安でしたが、全然大丈夫でした。

 コルクベルトだからシンプルに白Tシャツとも合わせやすいし、レトロゴールドなケースゆえフォーマルでもイケそう。いろんなコーディネイトに合わせられつつ、脇役ではなく主役として楽しめそうです。スイスメイドではないものの高級感は十分で、これが7万円くらいで作れるのは楽しくてステキ!スマホで行ったり来たりを繰り返しまくりましたが(笑)、動作も快適、実物は画面通りでした。大満足です!

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