「グッチ(GUCCI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)は5月15日、グループ傘下のブランドのファッションショーや撮影に18歳以上のモデルのみを起用することを表明した。実施は2020年(2020-21年秋冬コレクション)から。
フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼経営最高責任者は、「世界的なラグジュアリーグループとして、グループのブランドが創り出すイメージが特に若い世代に影響力を持っていることを認識している。私たちは、ラグジュアリー業界で可能な限り最善のビジネスの実践を身を持って示していく責任があると考えている。この考えに賛同していただける人たちと共に、ひとつのムーブメントを生み出したいと望んでいる」とコメントを発表した。
ケリングとLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)が2017年に策定したモデルの雇用関係およびウェルビーイングに関する憲章により、16歳以上のモデルを起用するという風潮がラグジュアリー業界ですでに浸透しているが今回の取り決めはさらにそれを進めたもの。
マリー・クレール・ダヴー(Marie-Claire Daveu)=チーフ・サステイナビリティー・オフィサー兼国際機関渉外担当責任者は、「生理的および心理的な観点から、18歳以上のモデルは成人レベルに達しており、仕事に求められる労働条件に歩調を合わせることができるというのが私たちの見解だ。また、ラグジュアリーブランドに求められるイメージをターゲットとなるお客さまに向けて発信できるのは、18歳以上のモデルであると認識している」と述べている。