ファッション・ウイーク期間中にはランウエイショーだけでなく、バッグやシューズを手掛けるアクセサリーブランドのプレゼンテーションや展示会も数多く開催されている。ウエアにおけるエレガンス回帰が印象的だった2019-20年秋冬は、アクセサリーでもクラシックなムードが台頭。バッグは、かっちりしたシェイプやロゴのメタルパーツが目を引いた。一方、シューズではブーツの豊富さが際立ったほか、スクエアトーやチャンキーヒール、キトゥンヒールからミドルヒールの提案が増加。素材では型押しを含むエキゾチックスキンやパテントレザー、色柄では黒や茶のベーシックカラーに加えた赤や緑、アニマルパターン、チェック、そして、それらの自由なミックスがトレンドに浮上した。ミラノとパリで発表した主要ブランドの新作を3回に分けてお届けする。第3弾は、パリで発表した「デルヴォー(DELVAUX)」「マルベリー(MULBERRY)」「ピエール アルディ(PIERRE HARDY)」「クレジュリー(CLERGERIE)」をピックアップ。
DELVAUX
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ベルギーの老舗レザーグッズブランド「デルヴォー」の今季のテーマは、“クラシック&タイムレス”で、トレンドをしっかりとキャッチした。また、ステッチでチェック柄を描くなど、洋服の仕立てから着想を得たアイテムも多く展開した。定番のワンハンドルのフラップバッグ“ブリヨン(BRILLANT)”や“タンペート(TEMPETE)”は、トレンドカラーのグリーンやイエロー、ブラウン、バーガンディーなどで登場。飼葉桶からインスパイアされた1972年に誕生の“パン(PIN)”は、デザインを一新、バイカラーにすることで今季らしさも取り入れた。さらに今季はマグリット財団とタッグを組んだコレクションも発表している。
MULBERRY
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「マルベリー」はジョニー・コカ(Johnny Coca)がクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、あらゆる角度から“英国らしさ”を追求している。19年春夏シーズンはエキセントリックな側面を表現したのに対して、今季はテーラードのセットアップやチェック柄といったトラッドな“英国らしさ”をモダンに進化させた。カラーパレットもバーガンディーやブラウン系を中心にイエローやスカイブルーをアクセントに使用し、落ち着いたムードを演出している。バッグはソフトレザーを使用した“アイリス(IRIS)”、スタッズとチェーンのディテールが印象的な“キーリー(KEELEY)”、ドローストリングスがアクセントの“ミリー(MILLIE)”の3型が新しく誕生。スニーカーもシューズのバリエーションに加わった。
PIERRE HARDY
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「エルメス(HERMES)」のシューズデザイナーとして知られるピエール・アルディが手掛けるシューズブランド「ピエール アルディ」は、絶妙な配色のカラーブロッキングが目を引く。バッグは新たにキューブパースペクティブ柄を配したウエストバッグが登場。シューズはプラットフォーム×チャンキーなハイヒールのブーツや、バックスタイルに縦のラインを入れることで脚を細く長く見せる効果のあるデザインのブーツなどが目立った。ダッドスニーカーは継続だが、ベロアやパテント素材を使用することでトレンドのクラシックな服装にも合わせやすくなっている。
CLERGERIE
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「クレジュリー」の今季のテーマは“冬の海”。砂浜や海をイメージしたカラーパレットを採用した。もともとヒールに特徴があるブランドだが、今季はアッパーからはみ出すほどのチャンキーヒールが新しく誕生した。また今季は、パリ生まれのシューズブランド「ボース(BOTH)」とコラボしたシューズを発表。「ボース」の持つ天然ラバーの加工技術をソール部分に使用したレースアップブーツは耐久性も高く、天候を問わず履けるアイテムだ。