平成はモダンファッションの偉大なデザイナーたちの時代だった。学生時代に「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」や「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」などの最新ファッションを手に入れたいと思ったけど、オーストラリアのシドニーでは、無理だった。東京に旅した友人から東京のブティックがどれだけクールか聞いて夢見ていて、2005年に来日し住み続けている。最近のファッションにはちょっとがっかりしている。だからお気に入りの「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」のビンテージの“ケージジャケット”を引っ張り出して着ている。1990年代にこのジャケットがファッションに革命を起こした。マドンナ(Madonna)の「ブロンド・アンビション・ツアー」でゴルチェはテーラリングを解体し、肌と構造のクールな相互作用を創り出した。私は他人と同じ格好はしたくない。洋服は純粋な自己表現だと思うから。だから、今でもとびきりモダンでかっこいいこのジャケットを着ている。
ジェイソン・リー・コーツ : 東京を拠点にPRショールームの運営とブティックへ販売を行うH3O ファッションビューローのディレクター。以前は豪「ヴォーグ(VOGUE)」やアラビア版「ハーパーズ バザー(HARPER’S BAZAAR)」、シンガポール版「エル(ELLE)」などでファッションディレクターやスタイリストとして活動。アントワープ王立芸術アカデミーの審査委員会メンバーも務めた
【業界人の「平成プレイバック」】
ファッション・ビューティ業界の若手からベテランまで「平成時代に印象に残った出来事」とは?