インターナショナルギャラリー ビームス(INTERNATIONAL GALLERY BEAMS)の2019-20年秋冬は、チロリアンコートやチャイナコートなど伝統的な要素を控えめかつ現代的に表現したウエアが目を引く。スタイリングは、同業態としては久しぶりに重ね着を提案する。「特にたっぷりとしたスカートなどボトムスのボリューム感がポイント」と片桐恵利佳ディレクターは言う。キーカラーはくすみイエロー、ブルー、ブラウンで、ディテールの繊細なアイテムをそろえた。「ワードローブに寄り添う長く着られるアイテムに引かれた。特に丁寧なモノ作りをするブランドに引かれ、そうして出合った3ブランドを新規導入する」。
1つ目はニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)時代の「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「ミュウミュウ(MIU MIU)」で経験を積んだデザイナーが手掛ける「リア(RIER)」だ。「オーストリア出身で、チロリアン文化を現代的に表現していて、受け継がれていく服をイメージしている点もよかった。98%再生可能な素材を用いている」と片桐ディレクターは評価する。伝統的な要素、構築的なシルエット、シンプルなデザインを融合させている。
2つ目は「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」などでデザイナーとして経験を積んだ竹内美彩による「フォトコピュー(PHOTOCOPIEU)」で、ミリタリーをベースにしたデイリーウエアをそろえる。「ショルダーラインを強調するシルエットもナチュラル素材で表現していて、やりすぎていない点がいい」と片桐ディレクター。「着てみて初めてわかる良さもあるブランド。ぜひ袖を通してほしい」と言う。
3つ目はメンズブランド「マーカウェア(MARKAWARE)」や「マーカ(MARKA)」を手掛ける石川俊介が今季始めた「テクスト(TEXT)」。「モノ作りの良さが際立っていた。エシカルやサステイビリティーをコンセプトにしているが、モノの雰囲気や良さに引かれた」と片桐ディレクターは評価し、「サステイナビリティーはモノ作りの基本になっている」と締めくくった。