ファッション

「リミ フゥ」4年ぶりのショーで見せた、アートとファッションの交差

ヨウジヤマモト社が運営する「リミ フゥ(LIMI FEU)」は5月31日、表参道ヒルズのスペース オーで2019-20年秋冬コレクションのランウエイショーを開催した。4年ぶりとなるショーでは、1930~40年代に活躍した女性クチュリエで、骸骨模様を取り入れた“骸骨セーター”やショッキングピンクのカラーを提案したことでも知られるエルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)にオマージュを捧げた。

 

コレクションはオーバーサイズからタイトなものまで、さまざまなシルエットのアイテムをバリエーション豊かにそろえた。ショーの前半では骨のようにストラップを配置し、シルエットにアクセントを付けたジャケットやシャツ、オールインワンを披露。アシンメトリーのスタイリングやところどころに付けられた大量の安全ピンといったヘアメイクと共に、パンクなイメージを強く打ち出した。

 

ドレープのあるバルーンシルエットのアウターやパンツ、オールインワンなどが続いた中盤の後に登場したのが、ところどころにジップやギャザーを施し、タイトに仕上げたドレスやトップス。中でもひと際目立ったのが、ショッキングピンクのアイテムだ。序盤から黒、白、ネイビーのみで進行してきたショーの中で、終盤に突如として現れたショッキングピンクは2ルックながら強烈なインパクトを放ち、スキャパレリへのオマージュを印象付けた。

「リミ フゥ」は以前ショーを開催した2015-16年秋冬コレクションの際も4年ぶりだった。「今後も自分の好きなタイミングでショーを実施したいと思っている。自分自身がショーを見て心を動かされたように、若い世代やスタッフたちにも洋服で心が動くということをこれからも伝えていきたい」と山本里美デザイナー。

ショーのインスピレーション源にスキャパレリを選んだ理由については「ショッキングピンクを使いたかった。また、アートとファッションの融合を一度試してみたかったということもある。個人的にはアートは難しいと感じていて、ファッションとはなかなか交わらせることができなかった。スキャパレリの本を読み漁り、彼女が強い女性で、かつアーティストだったと感じた。彼女のように自分のやりたいことをやり、一部の人でもいいから認められるような存在でありたい。『リミ フゥ』もパターン技術などは昔と比べて格段に上がってはいるが、常にストリート、かつパンクでありたいと思っている。ハイブランドのようにはしたくないし、するつもりもない」と力強く語った。

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