2019年度の「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award以下、ANDAM)」のファイナリストに、「コペルニ(COPERNI)」「ヘッド メイナー(HED MAYNER)」「コーシェ(KOCHE)」「カイダン・エディションズ(KWAIDAN EDITIONS)」の4組が選出された。
30周年を迎える今年の審査員は、初代グランプリ受賞者であるマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)や、「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MERTIN MARGIELA)」(現「メゾン マルジェラ」)の過半数株式を02年に取得したOTBの会長であるレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)「ディーゼル(DIESEL)」創始者、フランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)=ケリング(KERING)会長兼最高経営責任者(CEO)、シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)会長兼CEO、ギョーム・ドゥ・セーヌ(Guillaume de Seynes)=エルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL)バイス・プレジデント、ブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)=シャネル(CHANEL)ファッション部門プレジデント、フランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)=イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)社長兼CEOなどを含めた27人が務める。
ロッソ会長は、「今年のファイナリストは例年以上に多様性に富んでいて面白いセレクションになった。どこか一市場での流行りなどは選出の際に考慮せず、ビジネス志向が強すぎるブランドも除外した」と語った。
デザイナーデュオのセバスチャン・メイヤー(Sebastien Meyer)とアルノー・ヴァイヤン(Arnaud Vaillant)が手掛ける「コペルニ」は、14年にも「ANDAM」ファイナリストに選出されている。その後、2人は「クレージュ(COURREGES)」のアーティスティック・ディレクターに抜擢され、自分たちのブランドを休止した。17年に同職を退任し、19年に「コペルニ」を再始動。2月にはパリのファッション・ウイークで19-20年秋冬コレクションを発表した。
「ヘッド メイナー」を率いるデザイナーのヘッド・メイナーはイスラエル出身で、やはりパリのファッション・ウイークで19-20年秋冬メンズ・コレクションを発表している。「コーシェ」のデザイナーであるクリステル・コーシェ(Christelle Kocher)は、現代美術やストリートウエアを着想源にした作品が特徴的だ。「カイダン・エディションズ」のデザイナーデュオ、レア・ディックリー(Lea Dickely)とハン・ラー(Hung La)は18年に「LVMHプライズ」のファイナリストに選出されている。
フランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAM」は、ナタリー・デュフール(Nathalie Dufour)創設者が、マルジェラが1989年3月に発表した2回目のコレクションを見たことがきっかけで誕生。若手ファッションデザイナーの登竜門として、「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)」のヴィクター・ホスティン(Viktor Horsting)とロルフ・スノラン(Rolf Snoeren)や、クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)らを世に送り出してきた。グランプリ受賞者には賞金25万ユーロ(約3000万円)などが贈られる。