国内外のビューティ企業の2018年度決算が出そろった。国内企業は6社全てが増収だったが、利益に明暗が分かれた。海外企業の化粧品部門の売り上げは依然としてロレアル(L’OREAL)がトップを走り続け、その後をエスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)やプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)が追いかける。各社の業績からビューティ市場の動向を振り返る(本文中の円換算は、各社の決算発表時のレートを適用)。
【国内】
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花王の公式サイトから
・売上高は前期比1.2%増の1兆5080億円
・営業利益は同1.4%増の2077億円
・化粧品事業の売上高は同5.0%増の2796億円
・「スック」「RMK」などグローバル戦略11ブランドが好調
・売上高は前期比8.9%増の1兆948億円
・営業利益は同34.7%増の1083億円
・「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」などのプレステージブランドがけん引
・中期経営計画が掲げていた営業利益1000億円超を2年前倒しで達成
・売上高が前年比9.8%増の3329億円
・営業利益が同8.3%増の524億円
・連結売上高に占める海外売上高のシェアは27.9%
・「コスメデコルテ」が既存客の育成にも成功し売上高が同1.5倍の680億円
・売上高は前期比1.7%増の2486億円
・営業利益は同1.6%増の394億円
・育成ブランド「THREE」も好調
・「ジュリーク」は減損損失約113億円を計上
・売上高は前期比33.4%増の605億円
・営業利益は同53.5%増の89億円
・純利益は同28.0%増の55億円
・直接販売を行うブランドストア事業は同41.9%増の83億円
・売上高は前期比50.7%増の284億円
・営業利益は同45.0%増の21億円
・ECサイト運営やPB企画・販売などを行うビューティサービス事業の売上高は同38.2%増の121億円
・百貨店向けのラグジュアリーブランド取り扱いの強化が奏功
【海外】
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ロレアル本社 (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
・売上高は前期比3.5%増の269億3740万ユーロ(約3兆3671億円)
・営業利益は同5.2%増の49億2200万ユーロ(約6152億円)
・中国がけん引するアジア太平洋地域の成長が著しい
・「ランコム」が絶好調
エスティ ローダー カンパニーズの公式サイトから
・売上高は前期比15.7%増の136億8300万ドル(約1兆5051億円)
・営業利益は同21.2%増の20億5200万ドル(約2257億円)
・「ドゥ・ラ・メール」が売り上げ10億ドル(約1100億円)を突破し絶好調
・中国ではメイクアップの顧客が増加
プロクター・アンド・ギャンブルの公式サイトから
・売上高は前期比2.7%増の668億3200万ドル(約7兆4183億円)
・営業利益は同1.8%減の137億1100万ドル(約1兆5219億円)
・ビューティ事業の売上高は同8.5%増の124億600万ドル(約1兆3770億円)
・「SK-II」の売上高は同30%以上の伸びを記録
「レブロン」の公式インスタグラム(@revlon)から
・売上高が前期比4.8%減の25億6450万ドル(約2795億円)
・営業損失が8520万ドル(約92億円、前期は2380万ドル、約25億円)
・「レブロン」の売上高は同8.4%減の9億9830万ドル(約1108億円)
・フレグランス事業は複数ブランドとのライセンス契約期限が切れ減収
プーチ の公式サイトから
・売上高は前期比0.2%減の19億3300万ユーロ(約2377億円)
・税引き前当期利益が同5.1%増の3億2600万ユーロ(約400億円)
・フレグランス事業では「ジャンポール・ゴルチエ」の売り上げが同社傘下になってから過去最高を達成
・「ドリス ヴァン ノッテン」のフレグランス展開に注力する
インターパルファムの公式サイトから
・売上高は前期比14.2%増の6億7557万ドル(約749億円)
・営業利益は同20.4%増の9473万ドル (約105億円)
・北米事業は同19%増、西欧が同9%増、アジアが同24%増など全地域で売り上げが伸長
・「コーチ」の売り上げが同73%増と大幅に伸びた