「無印良品(MUJI)」を運営する良品計画は、約1100品目の商品を8月30日から値下げする。対象は靴下や肌着、食器、菓子、生活雑貨など生活に密着した日用品。10月の消費増税を前に、節約志向を強める消費者にアピールし、来店頻度を高める。
リピーターの多い“足なり直角靴下(3足セット)”は税込890円から790円に下げる。同商品は、一時は原材料の高騰を理由に1200円に値上がりしたが、16年8月に990円、18年2月に890円へと段階的に値下げを実施。年間を通じた消耗品である靴下の値下げは、来店頻度の増加に効果を発揮し、他の商品の「ついで買い」を促してきた。衣料・雑貨部の永澤三惠子・企画デザイン室長は「『無印良品』の靴下はもっと多くの人に知ってもらいたい商品。お客さまが靴下と聞いて、真っ先に思い浮かべるポジションを得るための戦略的な値下げ策」と説明する。
そのほか、“綿であったかUネック八分袖Tシャツ”は1290円から990円に、“綿パイルその次があるバスタオル”を2490円から1990円に、“ポリプロピレンスタンドファイルボックス”が690円から490円にそれぞれ値下げされる。
原材料費や物流費、人件費などは値上がりしているが、グローバルでの販売拡大、製造工程や生産時期の見直しによって価格を下げた。価格を据え置く多くの商品についても、同社は10月の消費増税後も現在の総額表示(税込価格)を継続するため、実質的には値下げに近い状況になる。食品や日用品の値上げが相次ぐなか、価格競争力を高めて集客力を高める。