ミレニアル世代をターゲットにしたファッションECサイト「リボルブ(REVOLVE)」を運営するリボルブ グループ(REVOLVE GROUP以下、リボルブ)が6月7日、ニューヨーク証券取引所に新規上場した。初値は公募価格の18ドル(約1944円)を大幅に上回る25.16ドル(約2717円)を付け、その後も好調に推移。終値は同89%高の34ドル(約3672円)だった。時価総額はおよそ23億ドル(約2484億円)。今回調達された2億1180万ドル(約228億円)のほとんどは株式を売却した既存株主が受け取っており、中でも2012年にリボルブに投資していた米プライベート・エクイティ・ファンドのTSGコンシューマーパートナーズ(TSG CONSUMER PARTNERS)がその大半を占めているという。
リボルブは、マイケル・メンテ(Michael Mente)とマイク・カラニコラス(Mike Karanikolas)の2人の共同最高経営責任者(CEO)が03年に創業。多くのインフルエンサーを囲い込み、イベントやパーティーなどでの様子をSNSに投稿してもらうことで露出を増やしてミレニアル世代を中心に人気を獲得した。独自のIT技術により膨大な販売データを蓄積し、売れ筋を予測して商品をセレクトするという手法で業績を伸ばしている。同社は19の自社ブランドのほかに他社ブランドも取り扱い、年間4万5000もの新たな商品を発売しており、一つのルックやトレンドに偏らないようにしているという。こうした従来の小売りとは異なる戦略が奏功し、18年の売上高は前年から24.8%増の4億9870万ドル(約538億円)、純利益は同じく3070万ドル(約33億円)となった。
カラニコラス共同CEOは、「素晴らしいファッションブランドを扱うと同時に、データ第一主義で顧客の需要を正確に予測するなど、ITを駆使した従来にはない効果的な方法による運営が市場に高く評価された」と語った。メンテ共同CEOは、「アメリカではECファッションブランドで上場している企業があまりないので、市場の反応がよかったのだろう。従来の小売りが過去10年以上にわたって業績不振であることも影響していると思う」と述べた。
ミレニアル世代をターゲットとしてきた同社だが、現在はその下のZ世代も視野に入れたブランド展開を行っている。カラニコラス共同CEOは、「SNSで当社のブランドをフォローしているユーザーの約3分の1がZ世代だが、まだ同世代全体の3%程度にしか浸透していない。将来的にも大きな成長機会があると見ている」と今後の展望を語った。