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大丸心斎橋店本館、9月20日オープン決定 「新百貨店モデル」の集大成

 J.フロント リテイリングは、建て替え工事中の大丸心斎橋店本館を9月20日にグランドオープンすると発表した。建て替え前に比べて3割増の4万平方メートル(地下2階〜地上10階)となる売り場は、定期賃貸借契約(定借)よるテナントが約6割に入る。11日に大阪で会見した山本良一社長は、2017年春に開業したギンザシックスの成功を念頭に「百貨店とテナントのハイブリッドの融合によって、百貨店の進化形を示したい」と話した。

 12フロアのうち4層が百貨店型の売り場で、8層が定借型の売り場となる。約370店舗が入る。

 百貨店型の売り場は、地下1階が食品と婦人洋品雑貨、1階が化粧品とアクセサリー、2階がラグジュアリーファッションとジュエリー、3階がラグジュアリーファッションとシューズ。もともと富裕層の顧客が多い店舗の特性を生かし、ラグジュアリーブランドの品ぞろえを大幅に増やした。また好調が続く化粧品は売り場面積を約1.7倍に拡充する。百貨店型の売り場も基本はブランド単位で編集されており、いわゆる単品の平場はない。

 定借型の売り場は4〜6階がファッション。ラグジュアリーブランド以外のドメスティックやインポートのアパレル・雑貨ブランドを誘致する。メンズ・ウィメンズを一箇所で扱うコンバインショップが多いが特徴だ。7階にも化粧品やサロンのテナントを入れる。9階には集客の要としてポケモンセンターを営業する。

 定借型の売り場だけでなく、百貨店型の売り場においても婦人服や紳士服、雑貨などフロア単位の商品分類をやめた。これもギンザシックスでの経験に基づくものだと山本社長は話す。「今はモノ単位で分かりやすく分類されるよりも、自分のライフスタイルと共感できるブランドショップの中で買い物したいとうお客さまがほとんど。特にファッションを求めるお客さまははっきりしている。そんなファクトを積み上げれば、われわれがどんな売り場を目指すべきかの答えは出ている」。

 大丸心斎橋店は商業とアートの融合もテーマに掲げる。建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories)の代表作でもあった旧本館の意匠や部材を継承するともに、最新鋭のLEDモニターなどによるデジタルアートを館内に設置する。また大阪の姉妹都市である伊ミラノのデザインイベント「ミラノ・フォーリサローネ」とパートナーシップを結び、店内や心斎橋の周辺エリアを会場にしたデザインイベントを開催する。

 9月の本館の開業後には今度は北館が改装工事に入り、21年の開業後には地下2階〜地上7階に「心斎橋パルコ」、8〜14階には専門店街が営業することになる。本館、北館、南館の3館体制で売り場面積8万平方メートルの商業施設になる。

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