コーセーは、42年ぶりとなる国内の新生産拠点「南アルプス工場」(仮称)の建設に伴い、山梨県と南アルプス市の2者と立地協定と森林整備協定を締結した。山梨県が立地協定を企業と結ぶのは初めて。
立地協定と森林整備協定は、3者が連携・協力を行うことでSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けて貢献することを目的としたもの。主な取り組みは、森林保全をはじめとする自然との共生や雇用促進、地域の活性化などで、5つのゴールを目指す。
小林一俊コーセー社長は「環境保全の取り組みや地域とのパートナーシップなどで企業としての責任と役割を超えて、山梨県と南アルプス市の皆さまと手を携えながら、いっそうの地域の発展・振興、そして美しい自然環境との共生に努めていく」と述べた。
一方、同県と市は全面的に支援する体制を整え、新生産拠点の敷地内の森造りも円滑に行えるようにするという。
【エディターズ・チェック】
南アルプス工場の敷地面積は約11万1500平方メートル。南アルプス市として大規模工場の誘致は約20ぶりで、山梨県としてもトップクラスに入る規模だという。現地雇用も積極的に行い、約300~400人規模の雇用を創出する予定だ。しかし、山梨県では半導体の生産工場が活気を帯びており、人材不足気味の状況だという。本格稼働する2021年時の人材確保が難しくなると、せっかくの現地雇用の創出の思いが達せられなくなってしまうため、県と市で何とか対策を講じてほしい。