文化・芸術の振興活動を行う東京二期会は6月12日、ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini)によるオペラ作品「蝶々夫人」の制作発表会を東京文化会館(上野)で行なった。演出を手掛ける宮本亜門と衣装を手掛ける高田賢三が登壇し、作品への思いや意気込みを語った。
宮本は「『蝶々夫人』は昔からやってみたかった作品。演出の話を受けた時は心が震えました。女性軽視やアメリカ批判などの議論もはらむ作品ですが、この舞台では国と人種を超えた愛にフォーカスし、人間の素晴らしさを伝えたい」とコメント。また、「賢三さんの服は昔からずっと着ていて、すごく尊敬している。どうしても賢三さんに衣装をお願いしたかった」と宮本が高田に衣装を依頼したことも明かした。
高田は「この作品はぼくにとってオペラの原点で、ずっと憧れていた。シチュエーションがよく変わる作品なので、それぞれのシーンに合う衣装を作るのは難しいですが、その分すごく面白い。和装と洋装が登場し、特に和装は現代的でモダンな仕上がりを意識しました」とコメントした。
高田は1999年、仏パリ・オペラ座でロバート・ウィルソン(Robert Wilson)が演出したオペラ作品「魔笛」の衣装を担当。オペラ衣装を手掛けるのは2回目、日本上演作は初となる。
同作は独ザクセン州立歌劇場、デンマーク王立歌劇劇場との共同制作作品。10月3〜6日に東京文化会館で、13日によこすか芸術劇場(神奈川・横須賀)で上演し、2020年以降に海外劇場で上演する。主演には、17年に栗山晶良が演出を手掛けた「蝶々夫人」でもダブル主演を務めたソプラノ歌手、大村博美と森谷真里を起用する。