ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)とスイス発家具メーカーのヴィトラ(VITRA)がコラボレーションしたインスタレーション「トゥエンティサーティーファイブ(TWENTYTHIRTYFIVE)」がスイスのヴィトラ キャンパス(VITRA CAMPUS)内のファイヤーステーションに登場した。このインスタレーションは、建築を学んだアブローの思春期と住宅環境の相互作用を表現したもので、サステイナビリティーやリサイクルの意味、過剰と非物質化といったテクノロジーと社会の変化が住宅に与える影響にも触れている。アブローは、「2035年にわれわれが家具を必要とするか否かは論議の余地がある」とコメント。環境がそれぞれの人生における趣向や決断にどれだけ影響するかというアイデアに基づき、彼は個人的に架空のティーンが19~35年が住む“住居の伝記”を創り出した。フランス人建築家のジャン・プルーヴェ(Jean Prouve)に魅了されたアブローは、このプロジェクトでプルーヴェの作品を探求し、オマージュを寄せた限定商品をデザインしている。6月12日にはヴィトラ キャンパスで、アブローとノラ・フェルバウム(Nora Fehlbaum)=ヴィトラ最高経営責任者によるトークショーや5000人限定のサマーパーティーが行われた。
インスタレーションは2部構成になっており、第1部“過去 / 現在(PAST/PRESENT)”では、プルーヴェがデザインしたランプ“プチポテンス”や“アントニーチェア”、チャールズ&レイ・イームズ(Charles and Ray Eams)やエエロ・アールニオ(Eero Aarnio)などのオリジナル家具や、ティーンの両親の家や学校の教室などにあったような家具が置かれている。
第2部の“明日”では、ティーンが成長し、思い出や経験、文化的かつ社会的影響を盛り込んだ自身の製品を創り出した35年の住居空間が広がる。この部屋では、アブローがデザインした3つの限定商品を展示販売する。彼が建築資材であり収納でもあるという “セラミックブロック”(世界限定999個)とプルーヴェが1942年にデザインした“プチポテンス”をアレンジしたランプ(世界限定300個)、の同じくプルーヴェが手掛けた“アントニーチェア”をアップデートした(世界限定100個)で、ヴィトラ キャンパスの会場およびヴィトラのオンラインショップ(EUのみ)で販売する。価格は“セラミックブロック”が149ユーロ(約1万8100円)、“プチポテンス”が1489ユーロ(約18万1600円)、“アントニーチェア”が2489ユーロ(30万3600円)。これらは今秋にアメリカ市場での発売を予定している。ヴィトラ キャンパスでのインスタレーションは7月31日まで。これらの詳細は、ヴィトラ ジャパンのインスタグラムで公開中だ。