「ナイキ(NIKE)」が6月初旬、ロンドン・オックスフォードストリート店に女性のプラスサイズマネキンを設置したことが賛否両論を巻き起こしている。近年盛り上がりを見せている、外見や体形の多様性を受け入れる“ボディーポジティビティー”の動きに合致していると「ナイキ」を称える声も多い一方で、肥満を推奨するものだという批判もある。中でも、英紙「デイリー・テレグラフ(THE DAILY TELEGRAPH)」はこのマネキンを「恐ろしく巨大で脂肪まみれ」と酷評した。
こうした否定的な意見に対し、ナイキの前グローバルアパレル部門ヘッドで、現在は米ダイエットプログラム会社WWインターナショナル(WW INTERNATIONAL)の最高経営責任者(CEO)を務めるミンディー・グロスマン(Mindy Grossman)がSNS上で反論した。「プラスサイズのマネキンが『肥満を推奨している』という見当違いの意見を目にして怒りを覚えている。『ナイキ』が多様なサイズを展開し、それを目に見える形で提示したことは、この社会に必要なことだと私は心から信じている」。
グロスマンCEOが在籍していた2000~06年当時、ナイキは「人間は誰でもアスリートだ。全ての人に画期的な製品とインスピレーションを届けよう」という新たなブランドミッションを策定しており、プラスサイズマネキンの登場はその理念に適っているという。同氏は、「健康であることと服のサイズは関係がないし、プラスサイズに(不健康だという)烙印を押すべきではない。『ナイキ』がさまざまな体形の女性に向けた製品を発売していることで、より多くの女性がランニングやワークアウトに取り組んでおり、ポジティブな影響を社会に及ぼしている」と語った。