ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)は、エービーシー・マート(ABCマート)および関連会社のエービーシー・マート台湾(ABC-MART TAIWAN INC.)に対して、取り引きの即時停止を通達した。「WWDジャパン」が入手した、クラウス・バウマン(Klaus Baumann)=ビルケンシュトック最高営業責任者(CSO)のサインが入った内部メモで明らかになった。
内部メモによると、エービーシー・マートのオリジナルブランド「ホーキンス(HAWKINS)」が「ビルケンシュトック」のサンダルと類似した商品を継続して製造販売していること、本件についてビルケンシュトックがエービーシー・マートに対して過去何年にもわたって問題提起してきたにもかかわらず解決に至らなかったことが取引停止に至った理由としている。「(『ホーキンス』のサンダルは、『ビルケンシュトック』のサンダルと)デザインが一致もしくは混同を生じさせるほど類似している。残念ながらエービーシー・マートは、本件について協力する気も譲歩する気もないようだ。ブランドがこれ以上の損害を被らないよう措置を講じる必要性が出てきた」と記載されている。またビルケンシュトックは、エービーシー・マートが店頭で「ビルケンシュトック」の商品と「ホーキンス」の商品を意図的に近接して並べ販売していることも、消費者を不適切に誘導していると問題視しているようだ。バウマンCSOは内部メモの中で「エービーシー・マートの行為は、当社のブランディングに悪影響をもたらす。このため当社はエービーシー・マートに対していかなる法的手段も辞さないと通達済みだ」としている。
エービーシー・マートは「WWDジャパン」の取材に対して、「社内で調査中。(通達を)受け取っているか否かはわからない状況だ」とコメントした。
エービーシー・マートは2000年に「ビルケンシュトック」の取り扱いを開始し、14年から直接取引している。ビルケンシュトックにとってエービーシー・マートは、アジア太平洋地域における最大の取引先の一つだった。