米「WWD」が毎年調査している世界のビューティ企業の売り上げランキングトップ100社が発表された。「WWDビューティ」6月20日号でも詳しくお伝えしているが、今年も前年に引き続き1位がロレアル(L'OREAL)、2位がユニリーバ(UNILEVER)、3位がエスティ ローダー(ESTEE LAUDER)とビューティ・パーソナルケア大手がランクインした。
2018年度は世界的なスキンケアトレンドとプレステージ・ラグジュアリーブランドの人気が各社の業績に大きく影響した。その証拠に、トップのロレアルのリュクス事業部は同10.6%増だった。ビジネスのほとんどがプレステージのエスティ ローダーも売り上げを昨年に比べ11%伸ばした。スキンケアが強い企業では、フランスのグループ クラランス(GROUPE CLARINS)や、「ビオデルマ(BIODERMA)」などを手掛けるナオス(NAOS INTERNATIONAL)などが売り上げを大きく伸ばした。19年に入ってからユニリーバが、日本の芸者の美容法が着想源のスキンケアブランド「タチャ(TATCHA)」を買収するなど、スキンケアへの注目は続いているようだ。特にスキンケアへの関心が強い中国市場が活発な中、スキンケアはまだ大きなポテンシャルを持つとされているが、19年度もそのトレンドが続くのか注目だ。
では、日本の企業はどうだったのか?日本を代表する資生堂は昨年から1ランクアップし、5位にランクイン。ほかの日本企業も続々と上位に入ってきている。いずれもスキンケアおよびプレステージブランド、トラベルリテールが好調だった。また、100社のうち31社が北米、14社がフランス、12社が日本企業と3番目に多く日系企業がランクインし、アジアでは断トツの存在感を見せつけた。
地域別では、中国を筆頭にアジアの売り上げが飛躍的に伸びた。大手企業のほとんどは「Tモール(TMALL)」やJDドットコム(JD.COM)」と協業し、現地に合わせた販売施策が奏功して売り上げを大きく伸ばしている。一方で、北米を筆頭にマスメイクアップブランドが苦戦しており、レブロン(REVLON)やコティ(COTY)の「カバー ガール(COVER GIRL)」などは売り上げを落としている。また、エイボン(AVON)やアムウェイ(AMWAY)など従来の訪問販売・直販ブランドもECに勝てずに苦戦をしており、SNSを活用した新たな販売モデル“ソーシャルセリング”やデジタル施策の導入で復活を狙っている。これらの企業の多くはトップの交代を強いられ、新しい経営陣のもとで復調を目指している。