染色加工大手の小松マテーレは6月18日、はっ水加工“ダントツ撥水”を発表した。2020年春夏向けから販売する。
“ダントツ撥水”は優れたはっ水性と高い耐久性を兼ね備えたもので、開発に5年かけ、この加工のために専用の製造ラインを作ったという。「PFOA(パーフルオロオクタン酸)フリーで、繊維の柔軟性と、ここまでのはっ水性と耐久性を備えたものは他にはない」と金法順正生産・技術開発本部長付参事は言う。初年度の販売は5億円、3年後は20億円を計画する。
PFOAは従来の高機能はっ水剤のフッ素化合物(C8タイプ)を作るときの副産物。長期にわたり摂取した場合毒性を発現するため、2006年に米政府がPFOAの排出と製品含有を15年までに廃絶する計画を発表していた。そのため、PFOAフリーやフッ素フリーのはっ水加工の開発が進められている。
小松マテーレもPFOAフリーの加工剤を用いたはっ水素材の開発を進めてきた。今回開発したのは、PFOAを含まないC6タイプのフッ素化合物を用いたもので、抜群の水切れのよさと、100回家庭で洗濯を繰り返した後でもはっ水性能を維持する。
“ダントツ撥水”にコーヒーをかけている様子